How do you do???

おうちだいすきっ子倶楽部なのだ。ヘケッ
我が城に篭って好き勝手やる時間は格別に甘美である。自分と自分の持ち物以外に自分を干渉するものがない空間。さいこう!
でも結局そういう時こそなのだ。そういう時こそ、「今ここ」に眼前しないものの不在がより一層際立つのである。ゆえに、それらが己の一番内なるところに訪れるのだ。
六畳間が、僕の心が、湖が、あっという間に有象無象の幽霊で埋め尽くされる。
幼少期共に雑草をすり潰して遊んだあの姉妹のこと。駄菓子屋のおばちゃん。そういう仕様なのかと思われるほど腰が曲がっていた。話を聞いていなかった僕をクラスの皆の前でこてんこてんに吊し上げた歴史の先生。再会のたび僕を固く抱きしめた祖母の暖かく骨ばった手指。父が弾き語ってくれたビートルズのブラックバード。ギターはともかく歌がまずかった。でも滅多に歌わなかった父が歌っていたのが新鮮で嬉しかった。それから電車。ホームの向かいのデパートの窓に歪な流線型を描く。白い手に小銭。白魚のようなって表現は大叔母が言ってたのを聞いて覚えた。孔雀。実際に見たことは2回くらいしかないはずだ。透明な何か。焦げスプーンの虹色。装飾の凝った鉄柵。スーパー銭湯でもらって無くした黄色いアヒルの玩具。
雪崩れ込んでくる。そうするともうなんだか内なんだか外なんだか何がなんだか。内外不覚ってとこか。
それが心地いい時もあるし、耐えきれない時もある。

まあそれだけなんだが。



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