【詩・ポエム】Vol.10

『チェリーボーイ』

つんざくような匂い

オレはその中で

膝を立てたまま

明日の蹴り方を考えている

道路に落ちたサンダル

ワニの足跡

片方だけ

泥まみれになったそれは

もう誰にも会う事もなく

やがて生まれ変わるのを

ずっと待ってる

どうしようもないくらい

激しい光が影を作って

気がついたらオレは

肩で口を拭ってた

ハロー、ボーイ

あの日に見た夢なんて

君が上手に吐き出した

チェリーの種と一緒

§

『空虚の街』

爆弾魔 頭カラッポ

爆弾抱えて吹っ飛ぶ

何も考えず

ただひたすらに

指を鳴らして叶えてほしい

車でやってきたのは

瞬きがクセの親子

何も持っていない

ガムもコーラも

小銭入れすらない

遠くで聞こえるモーターの音

気をつけてね

木がほら

葉っぱがほら

リズム感のない魂

闇夜では狼

無言のタロット

明日になれば

全て占いは外れる

§

『３年先』

ざらついたを手ではらいのけて

寝転んで背伸びをした

意外に四角い事に気づいたのは３年先

ふいに声が聞こえた

ひまわりの横

睨んでいるのか

泣いているのか

§

『attitude』

青と白のアティチュード

小さな空

木目が並ぶ

止まりだした

止まりだす

目を閉じてもいい

宇宙を感じられるなら

きっと君は何にでもなれる

§

『陸、海、空、全部行け』

真夜中ひとり

目を閉じてタイムスリップ

自分の生まれた時から今日までへ

たくさんの失われた記憶と

上書きされた思い出と

どっちが正しくて大切なのかもわかんない

チョコレートを食べた後の

口の中の気だるさと同じ感じ

走馬燈のように

蘇るメロディー

そう、魔法のように

You meet god , well candy

まだ足りない

まだまだ足りない

泣いてなんかもいられない

諦めてなんかもいられない

人生の折り返しコーンを蹴飛ばして

go now go now

陸、海、空

全部行け