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【詩・ポエム】Vol.27

『彼が弧を描く時』

ヒキガエルが高くジャンプした

皆はそれを見て

やれ高い、やれ高いと

騒ぎ立てたが

私はひどくガッカリした

君も、キミも、きみも

何もわかっていないようだ

彼の美しさはそこにはない

彼が弧を描く時

その放物線は色をつける

彼が弧を描く時

その放物線が虹をつくる

彼の美しさはその謙虚さに

彼の美しさはその優しさに

ほら、見てごらん

彼がまたジャンプした

アーチこそが彼の魅力だよ

あのヒキガエルは

湿地に咲くどの花よりも美しい

§

『つまり、咲くこともなかった知性にレクイエムを』

随分とご機嫌そうじゃないか

まだ生きていたんだね

また歌でも聞かせようか?

あぁ、そうか

キミは生きていたというより

生かされていたのか

彼らの人差し指と親指に

無責任にも彼らはキミを弄ぶ

キミはその指にむしゃぶりつき

自らの唾液を愛飲するんだね

わかった

じゃあ、これで最後だよ?

僕は彼らと違うから

ちゃんと中指を突き立ててあげるよ

さようなら

幾億光年も昔の私よ

§

『純円』

純円のすべてに具わる

欠けることなく

外しても切れない

ハグしても足りない

もどかしい気持ちも

嘲笑う今朝の恥じらい

君が夢に出てきたなど

そんなことはなかった

皆、嘘つきだ

米食らい命つなぎ

これくらい気持ちくなり

それは朝方

誰にも見られぬ

月の寂しさよ

§

『タバコが吸いたい』

今、こうしてるオレは

 ただタバコが吸いたい

さっきからペンを走らせ

 ただタバコが吸いたい

ガタガタ震えながら

 ただタバコが吸いたい

震えているのはさっきのアイスのせい

 ただタバコが吸いたい

口の中が甘ったるいから

 ただタバコが吸いたい

冬に食べるアイスも美味しいよな

 ただタバコが吸いたい

最後に、今日も君を愛している

 ただ君に会いたい

§

『あかさたな』

あいうえお アイウタイ

かきくけこ カキクルウ

さしすせそ サシススミ

たちつてと タチツクシ

なにぬねの ナニヌレル

愛詠い、書き狂う、指し進み、立ち尽くし、ナニ濡れる

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