【詩・ポエム】Vol.20

『炎上』

誰かの足を引っ張るくらいなら
誰かの揚げ足をとるくらいなら

オレは炎の上を歩けるくらいに
自分の足を鍛えるわ

人様にかまってる暇はないし
人様に興味なんてない

そもそも
オレが焼き尽くしたいのは
誰かじゃなくて
この世界そのもの

もしも
オレを焼き尽くすものあらば
誰かじゃなくて
我がうちなる炎のみ

敵は本能寺にはない
敵は己の中にあり

§

『亡骸の散歩道』

イライラするぜ

困ったものさ

ビニールに詰め込め

形くずれのソファー

ゾンビと化したエメラルド

くずれていく泣き虫の羽

青白いコートを身にまとい

フラフラと街に出た

くすんでいく憎しみの金

青白いコートを身にまとい

フラフラと街に出た

§

『天然ジェリー』

いつだって決まってそうさ
天然ジェリーがこっち見て笑った

見たものと感じたことがシンクロ
コーヒーがうまいぜ
バイバイ　またあとで
グランド・メアリー

音が止まった
ピアノのリズムは50％＆50%
こっちに来なよ
いつだっていいよ

あの娘に謝りたい
何となくでいいんだ
経験値ゼロが言ってる
ダメだ　もうダメだ

宇宙のリズムでアイラブユー
心地いいな　心地いい
何だかとっても

ナイロンは破れたし
もう用はない
時間がねぇ
アルファベットと漢字

くらっちまったよ
ありがとさん
もう止まっちまいそうだ
アリゲーター

くまのぬいぐるみが
最近お目にかかれなくて
ひどく残念だよな
笑っちまいたい

カウントダウン
ヒステリック
ヘイト

ジェリー　ジェリー
いつしかジェリー

短くなるまで
消えてなくなるまで
薄れていくまま
このままいくよ

でもそれは使えないね
何でもかんでも入ってく
もったいねぇな
まだ間に合いそうもねぇ

牛がかわいそうだな
でも残酷だぜ
オレも僕も君も

ベイビー　ベイビー
家に帰ろうよ
もったいねぇから
もうやめだ　ジェリー

§

『５時２７分の空』

朝の5 時27分

空が明るみをおびて

水色が増えていく

みんなこの空を見ればいいのに

そしたらもっと優しくなれるはず

§

『Roses in Hell』

バラの花束を抱え
君に会いに行った
大雨の中
街には避難勧告が

バラの花束を抱え
君に会いに行った
大雨の中
初めて君とキスをした

世界中から嘲笑されたオレは
ついつい足を滑らせて
その世界から落ちてしまったけど

背中から落ちていくオレが見たものは
そのすぐ後を両手を広げて
笑いながら落ちてくる君だった

それからというもの
地獄にバラが咲くようになったのは
君のおかげなんだろう