【詩・ポエム】Vol.18
『頬の中には飴玉ひとつ』
クリーム色のベスパ
乗り回すパンクガール
鋲のついた革ジャン
頬の中には飴玉ひとつ
金色のツインテール
振り乱すパンクガール
ボーダーのストッキング
頬の中には飴玉ひとつ
紺のジャケットに白のシャツ
襟正すパンツスーツ
足取り軽く面接へ向かう
頬の中には飴玉ひとつと
希望と未来
§
『シアワセの音』
冷たい雨にかじかむ指先
濡れた左のかかとを気にせずに
いっそ水溜りを歩こうか
パシャリと鳴る音
言葉では言い表せない
世界が教えてくれる音
幸せとはこういうことを
言うのだろう
§
『ノストラダムス』
黒い星
シルバーリング
ラ・フランスのような胸騒ぎ
ビートを打つほど波は燃え
悲しくなるほど抱きしめた
「チップはいらない」
言ってた飲み屋
まずそうなカウンターで
魚が泳ぐ
くたばれ予言者
20世紀に生まれたお菓子
はいて捨てるほど売れた
子どもの様に笑ってる
だんだん剥がれてく
それも知ってる
§
『メロメロ』
世界の終わりが明日来るなら
今夜、宝石でも奪いに行こうぜ
あさってには石ころだってよ
世界の終わりが明日来るなら
今夜、大金でも奪いに行こうぜ
あさってには紙切れだってよ
モデルガン握りしめて
おもちゃのナイフで威嚇
時代遅れのリーゼント
ちょっとしたギャングきどり
世界の終わりが明日来るから
お前のくちびる奪いに行くのさ
あさってにはメロメロだってよ
§
『ひとかけら』
行き交う人
行き交う車
朝の通勤ラッシュも
神様から見れば蟻の行列
どんなに色を着飾ったって
神様から見れば黒の行列
みんな働き者なんだな
大したものさ
すごいことさ
もしも、その群れに埋もれたって
もしも、その群れから離れたって
気にする必要はない
僕もアナタも
ひとかけら
だから僕の大好きなチョコレートを
ここにひとかけら置いておくよ
どうかアナタの
今日と言う日が
幸せでありますように
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