【詩・ポエム】Vol.16

『空の君に捧ぐ』

例えば切り取った
その瞬間
その数秒間

実る果実の芳しく
一瞬の感動

落ちる雨垂れの眩く
一瞬の感情

すべてにそれはあって
すべてに美しい

切ないとは切り取った
その瞬間
その数秒間

戻せない時の尊さ

§

『ダンスパーティー』

ダンスパーティーをしよう
オレは踊らないけど
ダンスパーティーをしよう
パーティーなんて嫌いだけど

魂を揺さぶれ
想像力のその先に
必ずやってくる
アレを捕まえるんだ

ダンスパーティーをしよう
オレは踊れないけど
ダンスパーティーをしよう
パーティーなんて嫌いなんだぜ

§

『とわとは』

誰もいないんじゃないか
そう錯覚するくらいの
静寂の中で
肘をついて空を眺めてた

指を鳴らして音を確かめる
青が赤に
赤が闇に変わっていく

なんて幸せな時間なんだろうか
輝く未来を子供たちのために

夕焼けが無くならないように

永遠に続け　永遠に

§

『ため息もデザートみたいなものさ』

戯れるバンビ
ハイカラなランチ
あどけなく絡まった

溺れていく
掴めばその先に

何もかも溶けてなくなれ

アイスクリームみたいに
かみ砕いて
溶けて
消えて
愛して

誰にも言えることだろう

ため息ひとつ
薄暗い世界に
のまれていった

§

『オレンジ』

点滅するオレンジ
落ちていくオレンジ
行ったり来たりのオレンジ
無数に成るオレンジ

あぁ、何ということだ
左の次は右
考えるな何も
脳から発せられるそれを
ここに託す
今、溢れる
こぼれ落ちる
閃光のオレンジ

それがすべてさ