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【詩・ポエム】Vol.28

『おはよう』

はようやさしくなりたい

はようつよくなりたい

はよううつくしくなりたい

はようおもしろくなりたい

はようかっこよくなりたい

おはよう

そう言うて今日も生きとる

はようおわらんかなこれ

§

『二度見』

珍しい時間にタバコを吸う

効きすぎるブレーキが

涙を誘ってきた

ガソリンを入れるのも忘れて

誰も乗っていない車を

二度見してしまう

なんだ、幻覚でもなく現実

ふとポケットに手を入れたら

ライターが入ってた

珍しい時間にタバコを吸ったからな

オレの車輪の後ろをカサカサと

落ち葉の群れがついてきた

そしてまた二度見してしまう

なんだ、幻覚でもなく現実

こんな時にノーヘルで良かった

§

『左肩の痣』

覚えているかを試したくて

同じ帽子をかぶっていった

少女は覚えていなかったが

思い出すと嬉しそうにした

机に置いた帽子をかぶると

おどけては嬉しそうにした

左肩の痣をなで哀愁を想う

その後ふたりが会うことは

もうなかったと男は言った

だって全ては作り話なのだ

左肩に痣をもつ娼婦の少女

ただ文字数を揃える為の話

§

『思い出した』

捨てないでやってくれ

苦しいとのたうち

見えてきた左より右の痛み

忘れていた何か

この橋を渡れば

きっと取り戻せると

それでも右は痛む

薄れていくインク

思い出したピンク

削り取られた空間の行き先知れず

新しい文字を生み出す

脳ミソから垂れ流れるを

思い出しているその脳には

さらに違う景色が見えている

きっとリンクしていない

切り離したとしても

切り離されることもなく

ただ右手がペンを動かす

§

『Thank you for TELL ME』

確かにここは華やいでいる
僕もまた溶けてゆけない自分を見つめていた

偶然にも君の詩が聴こえだし
涙が止まらなくなった

僕の黄色い体に無数の赤いハート
その中にあるたったひとつの黒いハートが
ドキドキしてたまらなかった

さっきまでむさぼっていた答えと意味を
君の声が、君の詩が教えてくれた

君の瞳は僕を見ている
空からずっと僕を見ている
僕にも僕が見えない
それでも僕には君が見えている

灰になるまでだなんて
君が灰になることなんてなかったよ
だって君は誰よりも紅いピンクなのだから

Thank you for TELL ME
教えてくれてありがとう

Singin' my song for me
Singin' your song for you

声にならない言葉でも
僕は詠い続けることにした
僕が僕で在り続けるため

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