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【詩】クスダマ

ウマレルということは
クスダマを割る瞬間に似ていた

待ち遠しく、美しく

未だ生まれると産まれるの
区別ができないでいる

僕は区別するより
いつだって供物されたかった
今だってそうだ

昭和に作られたものですら
もはやレトロになった

その窓に夕日が乱反射しながら
顔を照らす

眩しい

雪の結晶のようなお下がりに
美しい、美しいと昼下がり

一人で感動したところで
顔はしかめたまま
どうせ誰にも見られてやしないから
それでいいと無理やり納得した

諦めなんかできやしないのに
肩にのしかかる重力

もう一度
窓に当たる発光を見た

眩しい、やっぱり眩しい

眩む目を元に戻そうと目を閉じた


「いってらっしゃい」


誰かの声がした

一生の間にも
一日の間にも
一瞬の間にも
こうして目を閉じて
目を開けて
僕たちは何度もウマレル

そして知らず知らずのうち
綺麗だねと言い合うのだろう

クスダマから出たキラキラが
地面に落ちるまで

ずっと
幸せな気分であるように

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