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子供の声は騒音ではない


先日、Twitterを見ていたら
自民党の小泉進次郎氏が
『子供の声は騒音ではない』と言っている切り抜き画像を見つけました。

小泉進次郎と言えば、元環境大臣で、レジ袋の有料化や、当たり前のことを当たり前に言う発言が有名ですが、今回は『子供の声は騒音ではない』という発言が話題を呼びました。



1.法律で定める事を検討か

岸田総理が掲げる『異次元の少子化対策実現』に向けて話し合う『こども未来戦略会議』の2回目が行われました。

そこでは、住宅街にある保育園『バンビ保育園』が近隣住民との騒音トラブルを避けるために、高さ3メートルの巨大防音壁を設置したという事や、「子どもの声がうるさい」という苦情から公園が廃止されているという事例を踏まえて、『子供の声は騒音ではない』と、法律で定めることを検討しているという内容でした。

ドイツの法律では、すでに騒音の定義が『こどもを除く』となっているそうで、日本でも少子化対策の一環として、こどもを取り巻く環境を改めたいという考えのようです。


2.ネットの反響

ネットでは色々な意見があるようですが、どちらかと言うと、それはどうなんだろうと言った声の方が多いようです。

『注意しない親を罰しろ』

『変な法律ばっかり作るなら』

『違う国の法律を例出すな』

『子どもの声が騒音じゃないわけではない』

『不快に思う人がいる事実はある』

『親が躾できてないのが悪い』

『騒音感じるのは人それぞれで法律にするのはまちがっている』


なんというか、かなり厳しい意見が多い印象でした。

TwitterやTikTokでは、普段の小泉進次郎氏の当たり前発言と比較され『よくぞ、当たり前のことを当たり前に言ってくれた!』と言ったニュアンスで取り上げられているのをよく目にしましたが、Yahooニュースでは、かなり辛辣な意見が多くありました。

メディアによって多少意見の偏りと、ポイントのズレがあるなと感じました。


3.個人的に見解

個人的には『騒音はこどもであろうが騒音では?』という騒音の定義に対しての意見と『それを法律にするのどうなのか?』という政府の法改正の部分に対する意見の2つが論争のように感じました。

僕自身、2歳の息子がいますが、やはり子供の声というのは高くて響くので、騒音だ!と言う人がいるのは理解できます。

なので、度が過ぎた、こどもの声と言うのは、騒音と捉えられても仕方がないのかと思います。

しかし、政府の事例であった、公園や保育園で静かにしろというのは、厳しいなというのが正直なところです。

ここで、騒ぐなと言われたら、はしゃげる場所はないです。

親としても、昼間の公園で、こどもに『静かにしなさいと』叱るのは、心が痛く感じますし、育児に寛容ではないなと思ってしまいます。

個人の見解としては公園と保育園は、そう言う場所だから、騒音と判断するのは間違っていると思います。公園で『ボール禁止』という注意書きは見ることがあっても『静かに!』という注意書きは、今のところ見たことはありません。

もし、公園に『静かに!』という注意書きが貼られた時には世も末だなと思います。


4.この議論って少子化対策なの?


そもそも、この騒音問題と少子化対策がどう結びついているのでしょうか?

政府は保育園の近隣住民への気配りと、クレームによって廃止される公園がある事を事例としていました。

確かに、そこで騒音問題が発生しているのかもしれませんが、重要なのはそこではないと感じます。

少子化とは、経済面や環境面で、こどもの生まれる数が少なくなっているから起きるもので、保育園や公園で騒音だと言われたからと言って、こどもを産むのはやめておこうとは思わないでしょう。

こどものいる親からすると、保育園や公園は常識ある時間であれば、そういう所です。


親にとって、もっとも『騒音問題』で気を使っているのが、住まいだと思います。

賃貸探しでは、壁の薄さや、住んでいる住民の情報を聞いて、こどもの騒音トラブルにならないかに神経を使います。

夜間では、こどもに静かにしなさいと言い聞かせますが、体調や機嫌で急に大声で泣いてしまったりすることもあるでしょう。

保育園や公園よりも、住まい問題で、こどもを産む事を躊躇する人や、ストレスを感じている親御さんは多いと思います。

その事を含めて『こどもの声は騒音ではない』と言っているなら結びついていると思います。


しかし、それを法律で『こどもの声は騒音ではない』と決めてしまっては、夜間に家で騒いでいても注意しないという事になってしまいます。

静かにしてもらえませんか?と言っても
こどもの声がうるさいだろうけど、法律で騒音じゃないんだからいいでしょ?となります。


最初にこの記事を見たとき率直に、こどもの声が騒音ではないなら、人の目を気にして『静かにしなさい』と言わなくてもいいから気持ち面の負担が減るかな?と思いました。

しかし、色々な立場になって考えた末、何でもかんでも法律にして、どちらか一方が悪い、我慢しろというのは少し強引過ぎるのではないかと思うようになりました。

個人的には、犯人探しをするというよりは、騒音を感じにくい賃貸構造やアイテムなどの提案や支援をしてほしいところではあります。


恐らく、政府も『騒音問題』を挙げていますが、本質はこどもに対する周りの環境や接し方を改めて、子育てに寛大になってほしいという思いがあっての今回の法律検討だと思います。


ドイツでは、こどもの声は騒音に含まれないと法律で定められているとありましたが、ドイツの人は子育てに寛容だからこそ、その法律が成り立っているのでしょう。

今回の、法律にして無理やり、改めさせる事には賛成しかねますが、こういった子育てに関する議論が多く行われる事を良いことだと思います。


未来のこどもに幸あれ!!


おわり。





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