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フランスづくしな春 vol.1 愛を知る。


ずっとずっと行きたかった
「ルーヴル美術館展 愛を描く」に行ってきました。

国立新美術館は、昨年春に行ったメトロポリタン美術館展以来です。
いつみても美しい建築美。。
乃木坂のジャケット写真の撮影地として昔から認識はしていました。

桜が満開で、天気も良くて気温も心地よくて最高な日。
チケットを購入してからお昼ご飯を食べに行き、美術館前で少しお花見をしてから作品を鑑賞。

この作品展には、ルーヴル美術館に貯蔵されている愛をテーマとした73点の作品たちが来日。
愛といっても、幸せなシーンを描いているものだけではなく、略奪や死といったネガティブな側面も当時は美しいものとされていたそうで、そういった作品もたくさんありました。
すごく身近なテーマではあるけれど、これほど言語化したり具現化したりするのが難しいテーマはないような気もする。



『アモルの標的』フランソワ・ブーシェ(1758)

アモル(愛の神様)達の矢が刺さると、最初に見た人に恋をするらしい。
これで真実の愛が誕生するわけだからおもしろいですよね。

神であれ人間であれ、愛の感情は、ヴィーナスの息子である愛の神アモル(キューピッド)が放った矢で心臓を射抜かれた時に生まれます。
日常的に聞く「愛のキューピット」はこの不思議で可愛い神話が元となっているんだな~と知りました。


『アモルとプシュケ』フランソワ・ジェラール(1798)

『アモルとプシュケ』はギリシャ神話の寓話で、西洋では時代を超えて好まれてきたテーマだそう。

アモルはプシュケの美しさに見惚れているうちに自分の矢で自分を傷つけてしまい、プシュケに恋をする。神託に従って山の上に取り残されていたプシュケは、気づくと宮殿にいて、アモルとの新婚生活を始める。
自分の姿を見てはいけないとプシュケに伝えたアモルだが、プシュケは夫の姿を一目見たいと思いアモルが寝ているすきにろうそくで顔を覗き込んでしまう。愛の神エロスが夫であることに驚いたプシュケはアモルの肩に蝋(ろう)を垂らしてしまい、アモルが目覚めてしまった。
姿を見られたアモルは姿を消すが、プシュケはアモルを探すために旅に出て、様々な試練を乗り越え、最後は神の酒を飲んで不死身になりオリンポスでアモルと幸せに暮らした。

「プシュケ」はギリシャ語で「魂」という意味。
『アモルとプシュケ』は多くの試練を乗り越えて「愛」と「魂」が結びつく物語として、絵画や文学作品のモチーフとなってきました。
アモル(エロス)はアフロディーテの息子として羽の生えた子どもの姿で描かれることが多いですが、ジェラールの『アモルとプシュケ』では、プシュケとの愛を育む青年として大人の姿で描かれています。おもしろい。


『オレイテュイアを掠奪するボレアス』セバスティアーノ・コンカ(1715-1730)

一目見てザ・略奪と分かる作品。
ギリシア・ローマ神話の男性の神々が気に入った女性を誘拐するエピソードは、ルネサンス以降の神話画において定番の主題となったそう。
今も昔も、人々は不倫などの非道徳的な愛に興味関心があるんですね。

こちらもお気に入りの作品。よかったな~

『部屋履き』サミュエル・ファン・ホーホストラーテン(1655-1662)

ヨーロッパのお部屋ってほんと可愛い。
遠近法が素晴らしい、リアルさが伝わります。今回の作品展のテーマで、この作品が?と思わせるのも技ありだなと。この脱ぎ捨てられた靴が何かを物語ってるんでしょうね。


ユベール・ロベールの『かつてヴィーナスに捧げられた神殿』も個人的にすごく刺さって、ポストカードを買いました。
私の美術館巡りには、お土産にポストカードを買うのが恒例です。
今回は3枚買いました。

展示の最後には写真撮影可のエリアもあって楽しかった。
大迫力の絵をこの目で見て、写真にも残せる。最高。


愛って色んなかたちがある。
この春、またひとつ大人になった気がした。

愛って何?
わたしは、何かを大切に思う気持ちだと答えるかな。


ルーヴルにも、愛がある。


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