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麻雀AIの進化と人間の感覚との乖離(naga牌譜)

なかなか素敵なツイートをしていたNAGAさん

さて、麻雀AIの打牌って今どんな感じなんでしょうか?

ちょっと気になったので牌譜を追いかけてみることにしました。

牌譜を見ている中で気になった局面をいくつか紹介したいと思います。

1.とにかくカンしないNAGA

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これほんと?プログラムエラーとかでなく?

5巡目、先制、親リーチ、三面待ち、と何もかもがカン有利の条件が揃っているかのようにしか見えない。

昭和雀士チックに「三色にならなかった、これはまだ自身が仕上がってない証拠」とか言うつもりか?

カンしない理由を無理やり挙げるとすれば

周りが降り寄りになることによる上がり率の低下

6pを4枚見せるという情報の開示を避けたい

他家が攻めてきたときの打点上昇の可能性

安めとはいえ、あがりやすい待ちの1mが2枚飛び

高め47mツモならそもそも満貫あるため、その場合2枚以上ドラが乗らないと跳満に昇格しない

こんなところか?

それにしてもカンした時の平均打点上昇と最終着順率で大分カン有利だと思うんですがどうなんでしょう。

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これなんかも現代流ならカンしそうなものですが、カンせず

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チーテン取っての東切り

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これも禁断の赤カンせず!

まーでも後1巡しかない、待ち悪い、6s4枚見えならこれはカンしないな。

2.ホンイツにはめちゃくちゃ積極的

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見にくくて申し訳ないです。

3sポンして2s切りとした場面ですね。

いや、たしかに西重なりからのホンイツ路線を残せばMax満貫の仕掛けになるんですが、わざわざ14sと69sの一向聴を36sと69s一向聴にしますかね?

上がり率が低下しすぎてカバーしきれていないようにしか見えない…

ホンイツ移行しようとすると、もう少し巡目が深くなったところで全員に無筋のドラ跨ぎの5pを2枚落とす必要があるというのも怖い所。

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まーこれは鳴かないよりはましか。

とりあえずごちゃごちゃやって、中盤以降に情報が出尽くした所での押し引きはAIの得意分野だ

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結果は爆死してたがw

これは対面がナイス待ちでしたね。

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これなんかもなかなか積極的。

というかこれ456で鳴いてイッツールートは残さないのか?

ブロック数的にもう一個字牌重なりが必要になるし、それならポンポンした時に亜両面に取れる方が強いという主張か?

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謎の待ち変え

もともと1m7mのシャンポン聴牌からの変化。

7mが安牌なら、聴牌維持のための鳴きというのはわかる。

でもこれ7mどっちにも危ないですけど。符ハネも1m出上がりなら5200になっていたのがツモ限定になりますよ。

あるとしたら4m引き戻しからの両面変化か?

それならシャンポン継続でも6m引きで三面待ち変化があるが…

いやこれは本当にわからん

3.良形変化を重視した手組み

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麻雀の基本はメンタンピンなんだよ!!!!

いやー大好きです

自分もこういう手組みをしがちなんですが最近の悩みとして、結構こういうの一向聴に取った方が良いのかな?と思うことも多かったんですよね。

遅くしすぎなんじゃないか、と。

NAGA先生のおかげで自信が持てました。ありがとうございます。

4.押しすぎ案件?

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いやNAGA先生、それドラっすよ。

見事に死んでたがw

一応簡単な考察

上下の仕掛け当たるとしたら見えてない字牌は

東、南、北、白、發は場に2枚以上見えている。

とすると中暗刻の西待ちくらいにしか当たらないから、仕掛けには当たらないし、そこまで仕掛けに対してのリスクは高くないと読んだんだろう。

対面はノーテンと見たのか?

降りた場合ノーテン罰符で自身がラス落ちするのも痛いっちゃー痛い。

いやーにしてもノーテンから切る?

切るにしても聴牌プッシュじゃないかなー。

当たったらラス確定みたいなもんですし。

5.AIの考え所

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NAGAって、対戦の後に悩みどころを公開しているんですが、それを見ると見事に序盤ばっかり。

たまーーーに、20回に1回くらいは中盤以降で悩んでいることもあるんですが、ほぼほぼ序盤がメインなんですよね。

これってつまりAIの主張することは

中盤以降は情報がかなり出尽くしていて、複数の選択肢の優劣評価はそれほど難しくない

ということに他ならない。

逆に序盤は他家の捨て牌からのヒントだけでは優劣評価がしにくい、ということなんでしょう

人間の感覚で言えば、たとえば1枚目と同じ局で

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手が進んだけど2件リーチが飛んできたこの局面で6m押すかどうかの方がよっぽど難しい気がするw

いや、押すんですけどね。

でもAI的にはこれよりも

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ここの方が選択が難しいんだと。

黙って字牌きっとけや

タンヤオに行くか、面子手リーチか、チートイか、全部あるから難しいってことなんでしょう。

番外.いずれ麻雀もAIが最強になるだろう、って話

囲碁や将棋を代表とする完全情報ゲームにおいては、もうAIは人間の手の届かないところにあると言っていい。

現代技術の進化によって、コンピューターの情報処理能力も飛躍的に上がった。

もはやプロがAIに学ぶ時代となっている。

それこそ、一部のプロがタイトル戦等でトイレに篭り、AIを利用した不正疑惑があったりなかったりするほどに。

では、その事実が麻雀AIとどう関係するのか?

麻雀は囲碁や将棋とは違い、不完全情報ゲームではある。

しかし「盤面に与えられた情報を処理して、できるだけ自分に有利になるような選択を選び続けることが勝ちに繋がるゲーム」という点では本質的な違いはないのである。

情報処理、という点においてコンピューターは人間の遥か上を行っていることは疑いのない事実だ。

もし麻雀の成績が人間より悪いというAIがあったとしたら、それは

AIの情報処理のアルゴリズムが悪い

というだけの話だ。

言ってしまえば、AIを作っている人間の問題であって

正しい処理方法さえ与えられてしまえば、もはや人間が麻雀の長期成績でAIに太刀打ちできる理由は無い

といっても過言ではないだろう。

NAGAだけでなくSuphxがすでに9段や10段を達成しており既に人間を抜き去りつつあるところまで来ている。

というか、後は打数の問題で、今のAIでも打ち続ければ天鳳位達成はできるところまで達している。

人間を置き去りにするのも、そう遠くない未来にやってくるだろう。

自分もAIの牌譜を眺めつつ、自身の麻雀を進化させていきたいと思います。

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