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飛騨高山、お土産にしたいお菓子たち


飛騨高山の江戸から明治にかけての商家が並ぶ“古い町並み”には、魅力的なお店が軒を連ねています。

新型コロナ禍前の、インバウンド絶頂期はあまりの人出で店に入りたくても入れませんでしたが、初夏の旅では店内でゆっくりと飛騨銘菓を選ぶことができました。


ここ数年、店内をゆっくり回遊することができなかったけど…


イチ押しは、創業大正十三年のまるでん池田屋(岐阜県高山市上一之町)の「飛騨街道 旅がらす」(6個入り972円)です。


この化粧箱、捨てられません。令和時代に稀少な画風。

三度笠と合羽を着た旅がらす(現代で言うならばフーテンの寅次郎?)は見たこともない愛らしさ。惜しみながらも食べたモナカのその食感は、あまりの繊細さで驚きました。


こんな繊細なお菓子は始めてです。


触れれば壊れそうな旅がらすに着せた合羽。その蝶結びも、お店の人が一体一体丁寧に結んだのでしょうか。

タヌキ?お坊さん?諸説あり。


そう思うと、紙くずとしては捨てられず、醤油ビンに着せてとっておくことにしました。


この小道具は捨てられない…


創業明治23年の打保屋の「黒糖豆板(まめいた)」(8枚入り540円、岐阜県高山市久々野町)は、我が家のヒット商品でした。

歯ごたえと自然の甘味を持つお菓子は、素朴でノンケミカル。機械化せずに、職人魂でのれんを守ってきました。飛騨らしさがにじむ伝統駄菓子の1つです。


もう一度食べたいこの味。


山柿庵の「やま柿」(12個入り772円、岐阜県高山市石浦町)は、干し柿を小さく加工した上品なお菓子です。


江戸時代には天領だった飛騨高山。人や技に恵まれる由来とも。


個包装にも飛騨の人々のきらりと光るセンスが感じられ、干し柿ファンにはぜひおすすめの逸品です。

柿は奈良時代の古事記、日本書紀に記述が見られるといいます。当時は神様に捧げる果実で、朝廷や公家に珍重されていたようです。

素朴な中にもきらりと光るセンスが…

創業90余年、飛騨山味屋の「くるみよせ」(5個入り594円、岐阜県高山市西之一色町)は、こしあんにクルミを混ぜて蒸しあげた和菓子です。

無添加製法ですが60日間持ちするので、私は冷蔵庫で冷やしながら食べています。姉妹品に栗をふんだんにつかった「くりくり」もあります。


飛騨の銘菓はからだにもやさしい

「桃の雫(しずく)」(6個入り700円)は、飛騨物産館(岐阜県高山市西之一色町)オリジナルの土産菓子で、飛騨の高地で育った「飛騨桃」を使っているそうです。

高山グリーンホテルの敷地内にある飛騨物産館は、別名「お土産ミュージアム」といわれ、7000点以上の商品が取り揃えられています。


凍らせてシャーベットにするのも楽しみ方のひとつ。

これだけの土産点数を誇る地方都市もそう多くはありません。「飛騨の匠」といわれるように、ものづくりを大切にするスピリッツがあるからこそ、なのでしょう。


金木戸屋の「笹巻羊羹(ささまきようかん)」(5個入り970円、岐阜県飛騨市神岡町船津)は、笹の葉を折り曲げて、直に羊羹液を注入するという技法で作られている小さな三角錐の羊羹です。


画像を撮るタイミング遅れました。笹はもっと青々してます。


金木戸屋の「羊羹のしおり」には、俳人の中村汀女氏(1900 - 1988年)の「むいて、くっきりと笹目が出ている無垢な羊羹に会うのは、たまらなくうれしい」(著書『ふるさとの菓子』より)の一文が。

変わらない味を今に伝えるタイムカプセルのようなお菓子、神岡訪問の際はぜひお買い求めください。

今でこそ、ネット通販が発達しましたが、本来お土産はその土地でしか買えないもの。飛騨の旅ではぜひ、一期一会の銘菓との出逢いを楽しまれてください。(価格は2024年初夏のものです)


デジタルの発達で手描きの素朴な画はますます稀少に。

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