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パンの人 お菓子の人

あなたはパンの人だね。

あなたはお菓子の人ね。

新しいスタッフが入り、何日か一緒に働いてみると

その人のタイプが分かってきます。

うちのお店的判断ですが。

パンの人の特徴は

動作が大きくよく動き回る

いくつかの仕事を一度にこなしていくマルチタスク

瞬間瞬間の集中力がある

自分の仕事をしながら周囲に気が配れる

計量などが適当、仕事の始末が適当

オリジナルを入れ込んでいくので本来のレシピや成形とどんどんかけ離れていく


お菓子の人の特徴は

一つ一つの仕事が丁寧

粉計量など1gで正確に計る

無駄な動作がなく動きが小さい

所作が綺麗

目の前の作業に没頭する

成形が正確(例えば絞り出すサイズ・間隔・整列)

一つの仕事に対する集中力が持続する

自らのアレンジが苦手

臨機応変に動けない

仕事の掛け持ちが苦手で目の前の事以外に意識がいかない(視野が狭い)

職人気質

パンの人はおおらかさと機敏さ

お菓子の人は丁寧さと繊細さ

といった感じで大体どちらかのパターンに入ります。
これは私の主観でbonbon的判断ですが。

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お菓子の人がダイナミックさを持ったら

パンの人が緻密さと丁寧さを持ったら

それはもう人気店になるのでは!

お店を構えるにはどちらの要素も兼ね備えているのが大切。

作業の一つ一つが繊細で

強い集中力を持ち

周囲を俯瞰して見渡せる


私は私に足りない要素をスタッフの個性で埋めてもらっています。

当時、1人パン屋をするには精神力が弱過ぎました。

パンの出来に一喜一憂して

自信がないと価格を下げたり代金を貰わずにあげてしまったり。

売る際に「今日は発酵がね」「酵母の状態がね」なんて

言いながら売る日もありました。

嫌だよなぁそんな思いで

どうぞって売られても。

実際は十分美味しいのだけど、自分自身が納得のいく、

完成度の高いパンじゃないと達成感が得られない日々でした。

パンの人なのに職人気質。

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1人パン屋の時に

質を落とさず量産

質を落とさず量産!と

ストイックに小さなオーブンで長時間焼き続けた経験があって今店舗を構えての量産が出来ています。

当時の弱いメンタルは変わらず弱いままですが

今は毎日「美味しいパンが焼けたね!」

と販売できています。

これは量産パンの技術があがった事と

毎朝スタッフと食べる朝ごはんのおかげ。

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みんなが美味しい美味しいと食べてくれるので

発酵が思うようにいかない日でも

「こんな日もあるよね」と気持ちを落とさずに営業できる。

「この微かな酸味はバターと蜂蜜やチーズにすごく合うからお客様に声かけしよう」

「塩がもう少しあるともっと美味しいよね、オリーブと粗塩で仕上げしよう」

食べながら色々な提案が湧いてきて楽しい。

朝ごはんはディスカッション。



チームワークはサポート力

パンの人ばかりだと商品のクオリティにどんどんオリジナリティが足されていってしまう。
お菓子の人ばかりだと質重視で作業効率が落ちて仕事がスムーズに流れなくなる。

逆に言えば

パンの人が仕事の流れを作ってお菓子の人が商品の精度を上げる

パンの人がマルチタスクで自分の仕事をしながら周囲のサポートをして

お菓子の人がパンの人の行き届かない細やかな仕事をサポートする

bonbonは全員で仕込んで全員でパンを焼き全員で売って全員で片付ける、
仕事の垣根が無い。

ひたすら計量
ひたすら洗い物
ひたすら釜出し
焼く人売る人
そういう偏りが無い

私は職人気質より商売人気質が強いパン焼き人なので
1人で焼いてパンの完成度を上げるタイプの職人パン屋ではない。

パンの経験が無い人も日々一緒に作っていれば
パンを焼けるようになる。
センスがある人はどんどん上達していく
戦力が増えていく

私の立ち位置は日々パンを焼きながら

目の前の作業に入り込まず

スタッフ一人一人の動きを見ながら

指示をしながら一緒に丸め、一緒に成形し、一緒にクープを入れて

焼き上げる。

クープの深さや角度を伝えてどんどん切ってもらう

成形が上手に出来たら
良いね!と褒める

みんなの意識を底上げしていく。

一つの作業と次の作業をスムーズにつなげる流れを作り

大まかに指示を出して後はスタッフの行動に任せる

スタッフ同士が声を掛け合いながらどんどん仕事が動いていくのを

俯瞰して見ている時はちょっと興奮します。

良いチームだな!って!

年齢も育ちも違う個々の集合体

人ってみんな個性的です。


bonbon店主


#bonbonbread

#baker

#パン屋







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