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自宅でパン屋になる

計画書を出して
そう言われて慌てたのと同時にホッとしました。

ダメだと否定されなかった!
良かった!
計画書作ろう!

計算も企画もいつかの自分が歩いてきた道。

何日かかけてネットで検索し
文章を考え何度も書いては上書きしてノートを潰す。

工房が出来たら
1週間でこれだけ焼く
販売方法は通販と委託とイベント出店
それぞれの予算
原価は何%を目指す
必要経費を割り出し
経常利益を1ヶ月、1年、売り上げの成長を見込んで3年後までの予算組み
住んでいる町のマーケティング調査
市場調査、これからのこの町のパン業界の変化や
消費者のニーズ

調べて組み立てるほど楽しくなってしまい
納得のいく計画書が出来上がった時には
もういいやと
燃焼しきってしまったのでした。

こんなに素敵な仕事があるのか!

まだまだ可能性のある自分の住む町に
これから自分が踏み出すのかと思うと
興奮して飛び上がりました。

ちっぽけな自分が
何でもできる気になってしまう

プラスになる為の将来の展望を書き記すもの

計画書って現状把握や将来の方向性を確認する為には必要だし
メンタルを上げるのにも
必要不可欠。

「計画書書いたよ!」

ヨシさんに差し出すと
パラパラとめくって

「やってみたらいんじゃない?」
の一言。

いやいや、
ちょっと待ってよ...
見てよ
ちゃんと見てくださいよ
私頑張ったんだけど!

自分の仕事の成果をちゃんと見てよ
って思い少し苛立ち
そして冷静になって

ok出た?!!!

と驚いたのです。

今思うと、自己満足の計画書を評価しろなんて
おかしい話だなと思って笑ってしまう。

でもあの頃の私は家の中で生きていたから
仕事のような感覚に飢えていて
評価や達成感がたまらなく欲しかったんだと思う。

そんな6年前の出来事
それから1年かけて
小さな工場を建てて
パン屋になりました。

bonbonのスタート
それまではwakoパンって屋号で焼いてた
なんだかちょっと恥ずかしい。


過酷で
孤独で
不安だらけで
打ちのめされ
誰かの声に一喜一憂し
自分の力の無さに落胆しながら

キレイな美味しいパンが焼けた時の達成感と
美味しかったよの言葉と
やりきった日の充実感

ジェットコースターのように
上がったり下がったりしながら
楽しくて仕方がない
焼き暮らしのスタートです。

bonbon店主


#bonbonbread
#パン屋

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