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立会い出産にしていたらどうなっていたか。

息子を産んで2年経つが、今更ながら、立会い出産にしなかったことを後悔している。

今はコロナで立会い出産が難しくなり、出産に立会えることはとても貴重なのだと痛感した。

私の夫は息子が産まれる前、子供に関心を持っていなかった。産まれてからもなかなか子供を可愛いと思えなかったようで、会社から帰ってきて息子の寝顔を拝むとかも一切せず、泣いていても抱っこもしない。

出産時出血量が酷く、退院してからも起き上がるのがやっとだったので、私以外に抱っこをする人がいないのは体力面で結構こたえた。何より、夫が「子供を可愛がっていない」ことが精神的に辛かった。

立会いをしていれば子供が生きていることへの有難みとか、子供はかけがえのないものだとか、そういう感情が早くに芽生えていたかもしれない。出産後に長引いた体調不良も、あの壮絶な光景を見ていれば理解してもらえたかもしれない。

当時は私の希望で、立会い出産を選ばなかった。恥ずかしい話、妊娠中、夫のことが好きで好きでたまらなくなったからだ。こんなことは今までにない。検索履歴も「妊娠中 夫のことが好きすぎる」のようなワードで溢れていた。産んでからは申し訳ないが完全に元に戻った。むしろ前より冷めているくらい。きっとホルモンバランスの影響だったんだろう。

夫のことが好きになり過ぎて、インターネットで立会い出産のことを調べていてものデメリットばかりが目に入ってくる。「女として見られなくなった」とか、逆に妻側が「男として見られなくなった」とか。それで離婚になった夫婦もいるらしい。

今思えばそんなことどうでもよかった。息子が愛される方が重要だ。それに、大多数が立会い出産を選ぶ中で、選んだ人たちみんながみんな離婚しているか?と言われればまったくそうではないし、現に自分の両親も離婚せず、私を出産した後に弟を産んでいる。これは本当に人それぞれだと思うが。

もう一つは、双方の両親が妊娠や出産について何も言ってこなかったこと。

妊娠した時、夫の転勤で2人の実家から車で4時間弱のところに引っ越してきたばかりだったので、長距離移動がそれから億劫になり、里帰り出産はせずこちらで産むことにした。私が実家を出てから自分の部屋もなくなり、物も増えている。あんな場所、もう住めたもんじゃない。ここにいた方がリラックスして子育てができる、と。

両親たちが出産に立会うということもなかった。

4時間もかかれば産気づいても出産に間に合わないと思ったのか。ただ地元から今まで出たことがない両親や義両親にとっては4時間という距離に対して腰が重かったのか。それとも単純に私が可愛がられていないのか何なのか...

そのため、分娩室の外で待っている夫に「何してるの!中に入りなさい!」という人は誰一人いなかった。看護師さんたちはそんな私たちを不思議そうに見ていた。

実家の近くに住んでいれば、親はきっと立会い出産を勧めてきただろう。「立会い以外にない!」という勢いで。

息子が「ママ」より先に「パパ」と言えるようになって、少し可愛くなってきたのかようやく育児に関わり始めたが、2人を見ていると「立会い出産をしていたらどうだったか」とよく思う。もっと早くに息子を可愛がっていただろうか。

ここで一つ忘れていたことを思い出した。私の意見だけで立会いをしなかったわけではない。夫は「血が苦手だから」などと色々言い訳をし、立会い自体を拒否していた。

夫はそもそも立会いをしたくなかったので、こんな夫が立会いを無理やりしたところで変わることはなかっただろう。

立会い出産を希望しているのにできない人たちとは訳が違う。

それでも、無理やりでも子供が産まれる瞬間を見させていれば少し違ったかなと、今でもふと考えてしまう。

※立会い出産をしなかったからと言って全ての父親が子供を可愛がらないわけではないと思います。これはあくまでも「我が家」の場合です。思っていたより時間はかかりましたが、夫も今は息子にメロメロです。




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