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2023/4/16 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週の米国重要経済指標、消費者物価指数CPI、生産者物価指数PPI、小売売上高の簡単なまとめです。


① 3月 消費者物価指数 CPI 4/12

⭕ インフレ率(前年比)
総合 結果+5.0% 予想+5.2% 先月比-1.0%
コア 結果+5.6% 予想+5.6% 先月比+0.1%

✅ 総合では先月比-1.0%と大幅に鈍化、ウクライナ戦争から一年経ち、原油や食料価格が前年比で落ち着いたのが大きな要因でしょう。そのため、コアの方が総合より高い数値となりました。(日本でも同様な現象が起きている。)

✅ 総合は市場予想を下回りましたが、コアに関しては先月より上昇しております。次回FOMCでの追加利上げは予定通りと思われます。

出典元  TRADINGECONOMICS



② 3月 生産者物価指数 PPI 4/13

⭕ 生産者物価指数 (前年比)
総合 結果+2.7% 予想+3.0% (先月+4.9%)
コア 結果+3.4% 予想+3.4% (先月+4.8%)

✅ 総合の前月差は-2.2%、指数前月比では-0.5%と予想外に低下し、新型コロナウイルスの世界流行以降、最大の低下となった。

✅ CPI同様、ウクライナ戦争から一年経ち、主に原油価格が前年比で落ち着いたのが大きな要因。


出典元  TRADINGECONOMICS



③ 3月 小売売上高 4/14

⭕ 小売売上高(前月比)
総合 結果-1.0% 予想-0.4%

✅ 市場予想を下回り2か月連続の減少となりました。燃料や自動車販売の落ち込みが特に大きい。1月の伸びが特に大きすぎた為、現状ではまだ、その反動差分といえるのではないでしょうか。(自動車販売-1.6%)

出典元  TRADINGECONOMICS



④ 利上げマップ 4/15


⭕ 次回、5/3のFOMCは0.25%の利上げ予想が78%となっております。あと一回利上げはほぼ決定事項なので、パウエル議長の発言、特に利下げ開始時期について語られるかが注目となりそうです。

CMEのFedWatch ツール



⑤ 重要経済指標のおさらい  

⭕ 3月 個人消費支出PCEデフレーター 3/31
 結果 +5.0% 先月 +5.3%
★ 鈍化しているが依然高水準、昨年よりお金を支出している

⭕ 3月 ISM製造業景況感指数 4/3
 結果 46.3  前回 47.7
★ 50以下となり、コロナ時の水準まで落ち込む → 不景気

⭕ 3月 雇用統計 4/7
● 非農業部門雇用者数 +236,000人(予想+230,000人)
● 失業率 3.5%(予想3.6%)
● 平均時給増減 +4.2%(予想+4.3%)

★ 失業率は過去最低水準



⑥ まとめ

⭕ 5/3のFOMCは0.25%の利上げ予想が78%とほぼ決まり。

⭕ 3月に起きた銀行破綻からの金融危機は和らぎつつあるが、資金調達面がタイトになった事により、どの程度の引締め効果があったかは今の所わかならい。(FRBウォラー理事)

⭕ FRBはインフレ率目標の2%に向けて、持続的に引締め政策金利を高く保つ意思がある。鈍化の兆候はあるが、コアCPI指数が殆ど鈍化しなかった事に安心はしていない。(FRBウォラー理事)


★ エネルギー価格が前年比で落ち込む事はわかっていた事で、まさにそれ以外の「コア部分」でほとんど鈍化しなかった事がさらに利上げの必要性を意識させる結果となった。

 さらに、先日のOPECプラスの協調減産により、原油価格の高戻り(1バレル66ドル→82ドル)が起きており、インフレ懸念の材料が増え、鈍化ペースが落ちる事が予想される為、金融引締めの長期化が予想されます。



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