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2023/6/17 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週の米国経済指標、米連邦公開市場委員会(FOMC)6/14-15、5月消費者物価指数CPI 6/13、5月生産者物価指数PPI 6/14、5月小売売上高 6/15について簡単にまとめてみました。


① 米連邦公開市場委員会(FOMC)6/14-15

⭕ 連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げは1回休みが決定。長期にわたる金融引締めに対する経済・政策見通し点検の意を込めての据え置き。

⭕ 今後の事は何も決定していない、とするが、FRBメンバーはFFレートを5.60%近くとする意見が多く、その為には年内に計0.50%追加利上げが必要となる。

2023年6月14日
米連邦準備制度理事会(FRB)がFOMC声明を発表
日本時間午後2時発表予定

最近の指標は、経済活動が緩やかなペースで拡大を続けていることを示唆している。ここ数ヶ月、雇用の増加は堅調であり、失業率は低水準で推移している。インフレ率は依然として高い水準にあります。
米国の銀行システムは健全で弾力的である。家計や企業の信用状況の悪化は、経済活動、雇用、インフレに重くのしかかると思われます。これらの影響の程度は依然として不確実である。委員会は、インフレリスクに引き続き高い関心を持っています。
委員会は、長期的に最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。これらの目標を支持するため、委員会は、フェデラルファンド金利の目標レンジを5.00〜5.25%に維持することを決定した。今回の会合で目標レンジを据え置くことは、委員会が追加情報と金融政策へのその影響を評価することを可能にします。インフレ率を長期的に2%に戻すために適切と思われる追加の政策固定の程度を決定する際、委員会は、金融政策の累積的な引き締め、金融政策が経済活動やインフレに影響を与えるラグ、経済・金融情勢を考慮する。さらに、委員会は、以前に発表した計画に記載されているように、財務省証券と政府機関債および政府機関住宅ローン担保証券の保有量の削減を継続する予定です。委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強くコミットしています。
金融政策の適切なスタンスを評価する上で、委員会は、経済見通しに対する入ってくる情報の影響を引き続き監視する。委員会は、委員会の目標の達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適切に調整する用意がある。委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融及び国際情勢に関する情報を含む、幅広い情報を考慮することになる。

出典元 Federal Reserve issues FOMC statement



② 5月 消費者物価指数 CPI 6/13

⭕ 消費者物価指数(前年比)
総合 結果+4.0% 予想+4.1% (先月+4.9%)
コア 結果+5.3% 予想+5.5% (先月+5.5%)

★ 利上げバイアス ⤵

✅ 発表直後は、政策金利据え置き観測が一気に高まり、米国株は全体的に上昇。ドル買いが進み、1$=140円近くまで上昇。円換算する日本人投資家にとってはダブルで時価資産増。

✅ 明確で順調なインフレ鈍化が進む。予想4.1%を下回り、前年比4.0%と伸び率は2年ぶりの低水準。

● ガソリン価格の低下が大きな要因。(先月比、約20%低下)
● コアでも予想を下回り、ガソリン価格以外の低下も証明される。

出典元  TRADINGECONOMICS



③ 5月 生産者物価指数 PPI 6/14

⭕ 生産者物価指数 (前年比)
総合 結果+1.1% 予想+1.5% (先月+2.3%)
コア 結果+2.8% 予想+2.9% (先月+3.2%)

★ 利上げバイアス ⤵

✅ 前年同月比では+1.1%、2020年12月以来の低水準。主な要因はガソリン価格が13.8%低下、ディーゼル燃料、鶏卵、生鮮乾燥野菜、鉄鋼の低下も大きい。タバコ価格はやや上昇。

出典元  TRADINGECONOMICS

④ 5月 小売売上高 6/15

⭕ 小売売上高(前月比)
総合 結果+0.3% 予想-0.1%
利上げバイアス ⤴

✅ 数値に大きく寄与していているのが、自動車部品(+1.4%)、通信販売(+0.3%)、フードサービス(+0.4%)の売上増

✅ 大幅に下げたのは、ガソリンスタンド(先月比△2.6%)
 サプライチェーンの安定と製造業の景況感悪化による原油安の影響を受け売上減少が大きい。

出典元 日本貿易振興機構

⑤ 重要経済指標のおさらい


⏺️ 5月 米国総合PMI 5/23 
結果 54.5 前回 53.4 先月比+1.1
★ 中小企業インフレ圧力が再燃。利上げバイアス ⤴⤴


⏺️ 米国GDP成長率 1-3月期改定値 5/25
結果 1.3% 
前回 2.6% (前期比)
★ 未だプラス成長。利上げバイアス ⤴


⏺️ 4月 個人消費支出 PCE 5/26
● PCEデフレーター 
 結果 +4.4%  先月 +4.2%
● コアPCEデフレーター(食品とエネ除く)
 結果 +4.7%  先月 +4.6%
★ 個人消費支出がリバウンド上昇! 利上げバイアス ⤴⤴


⏺️ 5月 ISM製造業景況感指数 6/1
結果 46.9 
前回 47.1 先月比-0.2
★ 製造業は7か月連続50を切る 利上げバイアス ⤵


⏺️ 5月 米国雇用統計 6/2
● 非農業部門雇用者数 +339,000人(予想+195,000人)
● 失業率 3.7%(予想3.5%)
● 平均時給増減 +4.3%(予想+4.4%)前年同月比
★ 強弱のある結果 利上げバイアス ➡ (横ばい)


⏺️ 5月 ISM非製造業景況感指数 6/5
結果 50.3 
前回 51.9 先月比-1.7
★ サービス業が総合指数で低下、仕入れ価格も59.6→56.2
 利上げバイアス ⤵


⑥ 利上げマップ 6/17

✅ 次回、7/26のFOMCは政策金利+0.25%が74.4%と有力。

⭕ 消費者物価指数、生産者物価指数の明確に低下は見られるが、FRBがより重要視する個人消費支出(PCE)のリバウンドもあり、米国株式市場参加者にとって待望の年内の利下げシナリオは無理であろうと思われる。(FRBメンバーで年内利下げを支持している人はいない)


⑦ まとめ

⭕ 連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げは1回休みが決定。長期にわたる金融引締めに対する経済・政策見通し点検の意を込めての据え置き。

 
その一方で、今年中に合計+0.5%の追加利上げを実施するシナリオが浮上している。

⭕ 据え置き観測により、今週は米国株は上昇。今年中の+0.5%利上げシナリオの浮上により最終日は下落となったが3指数とも揃って上昇。特にNASDAQは週足で3.25%と高騰。

⭕ 7/14開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、+0.25%の利上げが最有力(74.4%)

⭕ 米国株式参加者待望の年内の利下げシナリオは厳しい状況。

⭕ 6/16、日銀政策金利決定会合での金融緩和継続発表により円安がさらに加速。1ドル=141.864円

★ 日本だけ金利を上げない状況は、事実上米国の円安容認であり、日本経済にはさらに追い風となる。


🔅 今週の米国株主要3指数(前週比)

NYDOW 34,299 +1.25%
NASDAQ 13,689 +3.25%
S&P500 4,409 +2.58%


🔅 来週の米国経済指標

6/19 米国市場休場
6/22 パウエル議長発言
6/23 6月製造業PMI



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