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2023/5/16 気になるニュース⑪ 楽天グループ2023年第一四半期決算、楽天最強プラン、楽天銀行新規上場と決算

⭕ みんな大好き楽天グループ、2023年第一四半期決算、楽天最強プラン、楽天銀行新規上場と第一四半期決算、について簡単にまとめてみました。



① 楽天グループ2023年第一四半期決算

1.営業損益761億円の赤字 

⭕ 5/12 楽天グループ、2023年1-3月決算発表がありました。数字だけを見れば損益改善していると言えます。

売上収益 4750億円 (前年同期 4350億円 +9.3%)
営業損益 △761億円 
(前年同期 △1131億円)
EPS △51.88円 
(前年同期 △58.3円)

※ 1株当たり純利益 EPS「Earnings Per Share」の略で、
EPSからわかることは、企業の稼ぐ力「収益力」と「成長性」の2つです。

出典元 楽天グループ 2023年第一四半期 決算短信(連結)

2.セグメント別分析

⭕ 全部門で売上増となりましたが、インターネット事業(楽天ショップや各種サービス)は増収減益

 減益理由はモバイルセグメント部門に含まれていた「一部のメディア及びエンターテイメント事業をインターネットサービスに移管」をした事により損益のつ付け替えをした為と考えられます。IR向け戦略プレゼンテーション資料

 正直、楽天モバイルが「損益改善しているように見せる誤魔化し」に思えてしまうのは僕だけでしょうか?


⭕ モバイル事業の損益改善は、上記サービスの移管に伴う損益の付け替え、新規基地局設置の保留、楽天モバイルショップの大量閉店、郵便局内ショップの撤退などの経費削減があげられます。

 特に新規基地局設置に関して、昨年の社員横領不祥事の件もあり、赤字垂れ流しに歯止めをかける必要がありました。それに伴い、後述しますが、楽天モバイル通信品質改善の「楽天最強プラン」の発表がありました。


 ● インターネット事業(楽天ショップや各種サービス) +118億円
 ● フィンテック事業(楽天証券、楽天銀行など) +266億
 ● モバイル事業(楽天モバイル)△1026億

出典元 楽天グループ 2023年第一四半期 決算短信(連結)

3.IRプレゼンテーション資料

⭕ 楽天IR(投資家向け)のプレゼンテーション資料を見ると、相変わらず、全てのグラフで右肩上がりを見せています。今、楽天を支えているのは「株主」であり、明るい未来を提示しなくてはなりません。
 
 今回は楽天シンフォニーの資料が多く見られ、国内需要に頼るだけでなく、海外展開へも強い姿勢を示しています。

 Rakuten Symphonyは、日本、米国、シンガポール、インド、欧州、中東・アフリカでソリューション事業を展開するグローバルな事業組織です。楽天が保有する通信事業者向けプロダクト、サービス、ソリューションを横断的なひとつの事業組織の下に集約させ、4Gおよび5G用のインフラストラクチャとプラットフォームソリューションを世界市場に提供していきます。

出典元 楽天ニュース 

② 楽天最強プラン 2023/6/1~

出典元 楽天CEOグループ戦略プレゼンテーション資料

⭕ 崖っぷちの楽天モバイル、コスパは最強でありますが利用者数は伸び悩んでいます。

 今回、最大の課題である「通信品質の改善」をKDDI回線の利用を「無制限」とする事で、新規利用者獲得と既存利用者確保を狙った最強プランを発表。運用は2023年6月1日~

⭕ 楽天モバイル利用者にとっては朗報ですが、KDDI回線へのローミングは楽天グループにとって無料ではなく、使用料に応じた課金制であり、当面の損益を無視した「苦肉の策」と言えます。

⭕ 昨今、ヤフー、ライン、ペイペイの統合などにより、EC部門、電子決済部門において、楽天グループにとっては強烈な向かい風となっております。
 
 楽天グループにとって、モバイル利用者を増やし、楽天グループのシナジー効果により、キャリア決済増加、顧客の囲い込みが当面の最重要使命といえます。

出典元 楽天CEOグループ戦略プレゼンテーション資料
出典元 楽天CEOグループ戦略プレゼンテーション資料

③ 楽天銀行新規上場と決算

1.新規上場 2023/4/21

⭕ 虎の子の楽天銀行を上場してまで資金集めをした理由

● 発行社債の償還費(満期支払い)への充填
● ネット銀行口座数(1,230万口座、日本No.1)のさらなる拡大を促進し、それに伴う楽天経済圏への囲い込みによる売上のシェアアップ。(ヤフー、アマゾンに対抗)
● 親子上場をする事で、ネームバリューを生かした資産増強

⭕ 上場に伴う売却益は約712億円。

私もIPO申し込みましたが抽選はずれましたw


2.2023年第一四半期決算

⭕ 5/10 楽天銀行、2023年第一四半期決算発表がありました。

売上収益 1204億円 (前年同期 1060億円 +13.6%)
営業損益 387億円 
(前年同期 279億円)
EPS 168.1円 
(前年同期 121.8円)

 上場後はお約束のように少し上がって、右肩下がりでしたが、好決算発表に伴い5/15には株価最高値を記録。

出典元 楽天証券

④ まとめ

⭕ 崖っぷちの楽天グループでしたが、最強プランの発表と楽天銀行の好決算でとりあえずは凌いだという印象です。

⭕ 楽天銀行株上場に伴う売却益約712億円は第2四半期で楽天グループに計上する予定との事。

⭕ 3000億円程度の公募増資も計画。基地局建設に充てるために発行した社債や劣後債残高は9000億円規模に上る。24年だけで3000億円程度の社債償還を迎える。ロイター通信 2023/5/15

 この報道の後、楽天株価は下落 いばらの道は続く


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