⭕ 東日本大震災の津波による影響で、炉心冷却電源機能が損なわれ、炉心溶融した東京電力福島第一原発の冷却水を浄化処理した「ALPS処理水」の海洋放出議論において、ひとつの結論が発表されました。
① IAEA(国際原子力機関)包括報告書の要旨
⭕ まずはひと段落の「安全公認」を貰いました。
⭕ 福島第一原発冷却の為に溜まっている「処理水」を海洋放出する計画について、IAEA(国際原子力機関)は「国際的な安全基準に合致し、人体へ与える影響は無視できるもの」とする報告書を公表しました。
トリチウム濃度を国の規制基準(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈して流す計画で、放出後には海水と混じり、さらに薄まっていきます。
(1)包括的な評価に基づき、IAEAは、ALPS処理水の海洋放出へのアプローチ、並びに東電、原子力規制委員会及び日本政府による関係する活動は関連する国際的な安全基準に整合的であると結論付けた。
(2)包括的な評価に基づき、IAEAは、東電が現在計画しているALPS処理水の海洋放出が人及び環境に与える放射線の影響は無視できるものと結論付けた。
② 韓国「国際基準合致」と公表
⭕ 文在寅大統領時代は反日運動の一環として「断固反対」を貫いていましたが、尹錫悦大統領に代わり路線変更。「韓国海域への影響はほとんどない」と評価、独自に発表をしました。
⭕ 韓国は、中国や北朝鮮などの強権国家との立ち位置が近年大幅に変わり、国益の為に外交路線を変更せざるを得ない状況に陥っています。
韓国内の反日派は相変わらず批判路線を貫いていますが、それはお約束といったところでしょうか。
③ 中国〝異常な反応〟原発処理水でIAEA報告書に反発
⭕ 中国お得意のイチャモンです。実際には中国や韓国を含めた海外の原子力発電所でもトリチウムを液体廃棄物として排出しており、これらと比べて日本はかなり低い水準にあります。
④ まとめ 結局安全なの? 風評被害は?
⭕ 福島の復興のためには、福島第一原発の廃炉が不可欠。燃料デブリの取出しや廃棄物の一時保管のためには、敷地の確保が必要で、これ以上タンクを増やし続けることはできません。
廃炉の実現には、ALPS処理水の処分を同時に行うことが重要。
⭕ ALPS処理水は国際安全基準であり、人体に与える影響は無視しても良い程度であるが、絶対安全であるとは誰も言えない(国際原子力機関)
一般公衆、実効被爆線量限度の「1ミリシーベルト」は、国際放射線防護委員会による、この位であろうという「コンセンサス(合意)」的な数値で、放射線による人体被害は個人差がとても大きい。
⭕ 日本が抱える一番の問題は「風評被害」で、安全基準であっても海洋放水をする事に大きな懸念が残るのは事実。ただ、何もしなければ何も変わらない、水も溜まる一方、廃炉も進まない。
放射線についてはまだ、分からない事だらけである。