見出し画像

2023/7/9 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週の米国経済指標、6月 ISM製造業景況感指数 7/3、 ISM非製造業景況感指数  7/6、6月 米国雇用統計 7/7、について簡単にまとめてみました。



① 6月 ISM製造業景況感指数 7/3

✅ 結果 46.0 前回 46.9 先月比-0.9
利上げバイアス ⤵

⭕ 総合は46.0と-0.9ポイントで8か月連続で50を切る。3年ぶりの低水準、製造業は活動縮小を継続。
生産46.7、雇用48.1、在庫44.0と縮小、仕入価格は-2.4ポイントの41.8と商品価格の下落に影響を与える。

回答者の声

●「米国経済の減速により、2023年の残りの期間の事業予測は修正/縮小されています。顧客は、はるかに前に購入する傾向が低くなります。」[コンピュータ&エレクトロニクス製品]

●「顧客の注文は間違いなく減速しています。当社は2023年後半の方が上半期よりも良いと思っていましたが、そうではないようです。」[化成品]
●「北米の需要は安定しているが、欧州市場は2023年と2024年の後半に減速していることを示している。」[金属加工品]

出典元 Institute for Supply Management: ISM

② 6月 ISM非製造業景況感指数 7/6

✅ 結果 53.9 前回 50.3 先月比+3.6
利上げバイアス ⤴

⭕  サービス業が総合指数でリバウンド上昇、製造業とは裏腹に現場での景況感は依然高い。商品価格はやや低下。商品購入には慎重になっているが、レジャー・宿泊・飲食など体験型支出には強い需要あり。

⭕ インフレ率の安定が経済に好影響を与えています。商品購入には慎重になっているが、レジャー・飲食など体験型

回答者の声

●「インフレ率の安定化は、私たちの全体的な状況を助けています。(高インフレは)過去2年間のサービスと家賃の価格を混乱させるのに大いに役立ちました。」[農業、林業、漁業、狩猟]

●「全体的なビジネス環境は良好ですが、成長は遅いペースです。」[小売業]

●「高い運用コストは、引き続き当社のビジネスに圧力をかけ、雇用を制限しています。サプライヤーからのサービスレベルは向上し続けています。トラック輸送の指標と売上も改善しました。」[卸売業]

出典元 Institute for Supply Management: ISM



③ 6月 米国雇用統計 7/7

✅ 非農業部門雇用者数 +209,000人(予想+225,000人)
✅ 失業率 3.6%(予想3.6%)
✅ 平均時給増減 +4.4%(予想+4.2%)前年同月比

利上げバイアス ➡ (横ばい)

⭕ 非農業部門雇用者数が予想を下回り、やや勢いを失い減速の兆しが見えました。

⭕ しかし、賃金上昇率は底堅く労働市場はなお十分健全であり、米連邦公開市場委員会は7月の会合で利上げを再開する可能性は高い。


④ 重要経済指標のおさらい


⏺️ 5月 消費者物価指数(前年比) 6/13
総合 結果+4.0% 予想+4.1% (先月+4.9%)
コア
 結果+5.3% 予想+5.5% (先月+5.5%)

★ 前年比4.0%と伸び率は2年ぶりの低水準
利上げバイアス ⤵


⏺️ 5月 生産者物価指数(前年比)PPI 6/14
総合 結果+1.1% 予想+1.5% (先月+2.3%)
コア
 結果+2.8% 予想+2.9% (先月+3.2%)

★ 2020年12月以来の低水準。主な要因はガソリン価格が13.8%低下
利上げバイアス ⤵


⏺️ 5月 小売売上高(前月比) 6/15
総合 結果+0.3% 予想-0.1%

★ 原油安でガソリンスタンドの売上は低下したが、自動車部品(+1.4%)通信販売(+0.3%)フードサービス(+0.4%)は売上増
利上げバイアス ⤴


⏺️ 6月 米国総合PMI(速報) 6/23 
結果 53.0 前回 54.5 先月比-1.5

★ 中小企業を中心に、製造業は悪化(48.5→46.3)、サービス業は依然好調(54.0→54.1)
★ サービス業景況感は伸び、依然好調。利上げバイアス ⤴


⏺️ 米国実質GDP成長率1-3月期 確定値 6/29

確定値+2.0%(前期比)
★ 5/25の改定値+1.3%から大幅な伸び。利上げバイアス ⤴


⏺️ 5月 個人消費支出 PCE 6/30

● PCEデフレーター (前年同月比)
 結果 +3.849%  先月 +4.344%
 コアPCEデフレーター(食品とエネ除く)
 結果 +4.6%  先月 +4.7%

★ 総合で約2年ぶりの低い伸び、コアではほぼ横ばい。
利上げバイアス ➡横ばい


⑥ 利上げマップ 7/9

✅ 次回、7/26のFOMCは政策金利+0.25%が93.0%と有力。

⭕ 7/7、発表の雇用統計は予想を下回ったが、著しい低下は見られず、これを受け、FRBで織り込まれていた次回利上げ確実となり、米国10年債利回りが4%を超える。

出典元 CMEのFedWatch ツール
出典元 nikkei225jp bond

⑥ まとめ

⭕ 7/26、連邦公開市場委員会(FOMC)で市場参加者の意見は+0.25%利上げが93.0%とほぼ確実。FRBメンバーのほとんどが今年中に合計2回(+0.5%)の追加利上げ実施を支持している。

⭕ 7/12(水)のCPI消費者物価指数の結果に関わらず、今回は利上げに踏み切る可能性が高い。

⭕ 次回利上げが確実となり、米国10年債利回りが4%を超え(4.066%)、米国株式市場にとっては大きなマイナス材料となった。

 マイナス材料を受け、ポジションを大きく変えた投資家が多く、週末にかけ米国株式主要3指数とも低下。

⭕ 雇用統計の結果は「和らいだ」との見方と、「警戒が必要だ」が同時進行しており、一旦、金融引締め長期化への懸念は和らいだとする見方が優勢となり円を買い戻す動きが出た(7/8現在、1ドル=142.093円)


🔅 今週の米国株主要3指数(前週比)

NYDOW 33,734 ▲1.95%
NASDAQ 13,660 ▲0.92%
S&P500 4,398 ▲1.16%


🔅 来週の米国経済指標

7/12 6月 CPI消費者物価指数
7/13 6月 PPI生産者物価指数



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?