見出し画像

2023/11/18 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週の米国経済指標、米国 消費者物価指数 CPI(11/14)、米国 生産者物価指数 PPI(11/15)、米国 小売売上高(11/15)について簡単にまとめてみました。



① 10月 消費者物価指数 CPI 11/14


⭕ 消費者物価指数(前年同月比)
総合 結果+3.2% 予想+3.3% (先月+3.7%)
コア 結果+4.0% 予想+4.1% (先月+4.1%)

出典元 TRADING ECONOMICS

✅ 総合、コア共に鈍化、市場予想を下回る結果に、FRBによる追加利上げ観測が著しく後退した。

✅ イスラエル、ハマス紛争により一時懸念された原油高騰であったが、世界的、主に中国の需要低下により米国でもガソリン価格が下落、総合指数に大きく寄与した。


② 10月 生産者物価指数 PPI 11/15

⭕ 生産者物価指数 (前年同月比)
総合 結果+1.3% 予想+1.9% (先月+2.2%)
コア 結果+2.4% 予想+2.7% (先月+2.7%)

出典元 TRADING ECONOMICS

✅ 市場予想に大きく反して前月比で低下。インフレ圧力の和らぎが感じられる結果となった。

✅ 低下の原因には、主にガソリン価格が寄与している。米国と中国の製造業の原油需要低下により価格が下落している為、まだ下がる可能性も大いにあると考えれらます。


③ 10月 米国 小売売上高 11/15

⭕ 小売売上高(前月比)
総合 結果▲0.1% 予想▲0.3%

出典元 TRADING ECONOMICS

✅ 10月の小売売上高は市場予想ほどの減少がなかったが、先月比でマイナスに落ち込んだのは7か月ぶりで、過熱した米国経済が少し和らいだと感じられる。

⭕ しかし、比率が高い自動車、ガソリンを除いた小売売上高も+0.1%と7か月連続でプラスとなり、米国経済の堅調さが伺える。

⭕ 個人貯蓄は低下傾向にあり、雇用市場の縮小と借入コスト上昇を考えれば、年末商戦を越え、年明けには売上、消費が急降下する事も考えられる。


④ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所

⑤ 利上げマップ 11/18


✅ 12/13、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に於いて、市場参加者の意見は現状維持が100%。(初めて見たw)

 また、現時点では今後の利上げ予測は皆無となっている。

出典元 CME FedWatch ツール

⑥ まとめ

⭕ 今回の消費者物価指数低下の結果と、月初からの経済指標の緩やかな鈍化により、FRBはインフレの引き下げに成功したと意見する市場参加者は多い。そして、コロナ後からの急激な金融引締めにも関わらず、深刻な景気後退に陥っていない事で、ソフトランディング(軟着陸)が視野に入って来ている。

★ 結果、今週の米国株式は主要3指数とも2%近く上昇。

★ 次回のFRBの答え合わせは、最重視する月末発表のPCE個人消費支出となります。

⭕ 連銀総裁のコメント、暫くは様子見ですね。

★ ボストン連銀のコリンズ総裁は17日、インフレ状況の進展は歓迎すべきことだが、政策当局者は一段の金融引き締めを除外すべきではないと述べた。

  同総裁は経済専門局CNBCとのインタビューで、「妥当な期間内にインフレ率を2%に低下させるためには、忍耐強く毅然(きぜん)とした態度で臨む必要があり、追加の引き締めを除外するべきではない」と発言。「重要なのは、最後までやり遂げる必要があるということだ」と語った。

出典元 Bloomberg 2023/11/17


★ 米シカゴ地区連銀のオースタン・グールズビー総裁は、中長期債の利回り上昇の影響を注視し、景気が来年、予想以上に鈍化しないようにする必要があるとの見方を示した。

 グールズビー氏は8日のインタビューで、FRBが議論の焦点を金利の最高到達点から、金利を足元の22年ぶり高水準の近辺にどれだけの期間維持するかに移す中、このところの中長期金利の上昇がさらに重要性を帯びる可能性があると指摘。「歴史的な証拠を踏まえると、長期金利は短期金利以上に実体経済の予測可能な分野、つまり建設、投資、耐久消費財に非常に大きな影響を及ぼす」とし、「FRBは信用の引き締まりが景気に及ぼす影響と、オーバーシュート(行き過ぎ)の危険があるかどうかを考慮する必要がある」と話した。

出典元 WSJ 2023/11/10

★ 米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、インフレ率が2%の目標に向けた軌道にあるか自分を含め米金融当局者は確信を持てていないと述べた。

  デーリー総裁は17日、フランクフルトで開かれた銀行業界の会議で講演。事前原稿によると「米金融当局では、インフレ率が2%への軌道に乗っているかどうか確信を持てていない」と指摘。「金融政策がどの程度遅れて波及するのか、すでに起こったのか、それともまだ完全に実体化していないのかは定かではない」と述べた。

出典元 Bloomberg 2023/11/18



🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)11/18現在

★ 米国10年債利回り 4.439%(11/11 4.646%)
★ 日本10年債利回り 0.734%(11/11 0.842%)
★ 1ドル=149.651円(11/11 151.533円)
★ 原油(WTI)1バレル=75.86ドル(11/11 77.35ドル)


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 11/18現在

★ 
NYDOW 34,947 +1.94%(先週比)
★ NASDAQ 14,125 +2.37%(先週比)
★ S&P500 4,514 +2.24%(先週比)
★ 日経平均 33,585 +3.12%(先週比)

🔅 来週の日本米国経済指標

11/24 日本 消費者物価指数 CPI


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?