紅茶教室の先生

ペンシルママが以前住んでいた地方都市でのことです。ペンシルママは月に1回紅茶教室に通っていました。毎回3種類の先生が選んだ紅茶を、お菓子とのマリアージュを楽しみつつ味わって、皆一言ずつ感想を話します。そして座学で紅茶の話を聞くというお教室でした。

このお教室の特徴は、お菓子が和菓子も出されるということです。先生が紅茶本来の味を楽しんでもらいたいという思いと、クリームなどの脂肪分で紅茶を濁したくないという理由で、ケーキやスコーンといったイギリスのアフタヌーンティーをイメージするようなお茶菓子は出てきませんでした。

代わりに和三盆の干菓子や和菓子、ジンジャービスケット、たまにチョコレートなどが出てきました。海外のビスケットや固焼きワッフルが出てくることもありましたが、全国の日本のお菓子メーカーのお菓子が多かったように思います。

もうひとつ印象的なのは、毎回3種類の紅茶を飲みましたが、それらは全てノンフレーバードティーであることです。つまりアールグレイといった香りが添加されている紅茶ではなく、100%ダージリンだったり、アッサムだったり、ウバだったりします。中国紅茶の日もありました。こちらの教室で紅茶を頂くことで本当の紅茶の味を知れたのが良かったです。お教室でしか飲めないような希少価値の高い高価な茶葉ばかりでしたから、ホテルで同じようなものを頼んだら何千円もするだろうものです。本当の茶葉の味を知るとそちらが美味しくなり、アールグレイは違和感を覚えるようになりました。思えば母も義母もそうですが、紅茶好きの人で昔から紅茶を飲んでいる日はアールグレイを好まなかったなあと思い出します。

また紅茶といえばスコーンやケーキといった固定観念だった私には、紅茶は和菓子ともこんなに合うのかと衝撃を覚えたものです。日本のお菓子の繊細な味わいも感じました。

その後上京するためにお教室は辞めることになりましたが、短い期間ですが1年半通うことが出来ました。こちらのお教室のおかげで紅茶の味をより知って楽しむことが出来るようになりましたし、合わせるお菓子についても広がりました。ミルクティーの入れ方も詳しく教えていただき、家で本格的なロイヤルミルクティーを作れるようになりました。

ただ現在の私は以前よりもっとカフェイン離れが進んでおり、家では紅茶を始めほとんどの飲み物はデカフェかカフェインレスを選んでいます。ルイボスティーなども選択肢に入るので、フレーバードティーを選ぶことも多いです。あまり茶葉を気にする生活ではありません。紅茶は(コーヒーもですが)カフェや外食で楽しむものになりつつあります。

東京はカフェでも紅茶専門店など様々ありますし、時々そんなお店を巡って楽しんでいます。紅茶教室で得られた経験をもとにお茶を楽しむ心みたいなものは自分の中にしっかり根付いていて、それは娘にも受け継がれているようで嬉しいです。

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