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相撲組曲「Xe」作曲者の神田佳子にインタビュー



◼️この相撲組曲を作るきっかけ
もともと相撲が好きでしたが、のめり込んだのは稀勢の里関がきっかけだと思います。
数年前に、高砂部屋の松田マネージャー(元・一ノ矢)さん、呼出しの邦夫さんと、あるイベントで演奏のお仕事をさせていただいたご縁もあり、以前より好きだった相撲が、さらに身近に感じられるようになりました。そんな時に、稀勢の里関が横綱に昇進を果たされ、私の長年の夢が叶った想いを音にしてみたいと思うようになり、『相撲組曲「Xe」(キセ)〜2台ピアノのための)』を作曲し、昨年8月には、両国の門天ホールにて、世界的に活躍されているピアニスト(高橋アキさん、寺嶋陸也さん)により演奏されました。
相撲から感じる音は色々とありますが、特に、稀勢の里関からは音が聞こえるんです!?
稀勢の里関から感じる音やリズムを想像すればするほど次々にアイディアが浮かび、7楽章にも及ぶ組曲になりました。
(写真:高橋アキさん、寺嶋陸也さんとのリハーサル風景)

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(写真:タナカンダのチラシを手にしてくださった元・稀勢の里関)

◼️相撲組曲はどのように発展したのか

その後、私が主宰している「打楽器アンサンブルプチフェスタ」というイベントで、「心技体」をテーマした際に、演出も取り入れた打楽器だけによるアンサンブルの作品『相撲組曲「Xe」Ⅱ〜打楽器アンサンブルのための』を仕上げ、神田佳子が率いる総勢27名による打楽器オーケストラによって上演されました。
ここでは、ハンコ絵を製作されている友人に各楽章に沿った稀勢の里似のハンコを作成いただき、新調した相撲太鼓も入れ、東西を意識したセッティングや相撲の動きの演出つきの壮大な作品となりました。一ノ矢さんと心技体についての対談をしたり、四股や相撲の均整の型などを教わったことも活かしながら、演奏メンバーと一緒に作り上げた作品となりました。

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(写真:プチフェスタ公演)


◼️相撲太鼓を新調?!
この作品には相撲太鼓が印象的に使われます。相撲太鼓の「リズム」をある程度学び、自作を含め、いろいろな場面で相撲太鼓のリズムを使った作品を演奏しておりますが、西洋の楽器でリズムは演奏が出来ても、本物の相撲太鼓で打てないなんて…
また、お手軽な太鼓で代用できるものはないかな?とも考えましたが、
実際に太鼓を扱うお店や呼出しさん達にも話を伺ってみたところ、
「相撲太鼓の『あの音』を出す為に、しっかりした胴と革が必須なので、
高価なものになる」とのこと。
半年以上悩みましたが、相撲太鼓が欲しい!という熱が冷める事はありませんでした。
私の弟子には、「普通に考えるなら、ティンパニを買った方が、、、」などといわれて、(実際はティンパニのほうが高いですが(笑))
それを聞いて逆に、「私なら相撲太鼓でしょ!」と強く思い、購入を決断しました。
新調した太鼓で、呼出しの邦夫さんにご指導を頂きました。
すでに数回のレッスンをしていただいておりますが、教わる度に奥深さを感じます。
なかなか思うようになりませんが、この歳になって、新しいことに挑戦することも新鮮でした。
また、相撲太鼓を所有していることで、CMのレコーディングの仕事をする機会もありました。

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(写真:呼出邦夫さんの相撲太鼓レッスン)

◼️相撲太鼓に名入れ?!
さらに、ご縁がありまして、行司の四代目・木村朝之助さんが、新調した私の相撲太鼓に、相撲字で名を入れてくださることになりました。
高砂部屋マネージャーの松田さん(元・一ノ矢)を中心として出会った相撲関係者と相撲好き音楽家たちで、相撲太鼓との出会いのきっかけを作ってくれたジャクシャ(日本相撲聞芸術作曲家協議会)のメンバーの鶴見幸代さん、樅山智子さんにも立ち会っていただけて、「名入れの義」が行われました。
朝之助さんがその場で書いてくださったのです。大切に使い続けたいと思っております。

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(写真:名入れ中の行司の木村朝之助さん)

◼️「Xe」タナカンダバージョン

結成24年
、知り合ってから??年。田中信正さんは私よりも2歳上ですが、エレクートーンの先生もピアノの先生も一緒。お互いに違う道に進みつつも、気心しれた関係で、活動回数は少ないものの、通じ合えるものも多く、楽譜にはない、言葉では表現できないものを一緒に音にすることができる仲間で、ことある毎に刺激し合っているかと思います。

もともと、この作品をタナカンダで演奏することは考えていませんでしたが、初演の2台
ピアノの高橋アキさん、寺嶋陸也さんのコンサート音源を田中さんに聴いていただいたところ、すごく気に入っていただけて、「いつかやってみたい!」と言われ、その気になって、タナカンダバージョンを考えたわけでした。



話は少し逸れますが、田中さんはキティのファンで、
「キティ組曲」という田中さんのオリジナル曲があるのですが、稀勢の里にはキティの化粧まわしがあり、その写真を見せたところ、

「キティ組曲と相撲組曲でライブをしよう」という風に話が一気に進み、ライブ企画が成立しました。

その時の音源や映像があるのですが、それを観ながら、今後も形に残るものが欲しいと思い、田中さんと相談しながら今回の企画を考えました。

タナカンダバージョンには、基本的には譜面がありますが、何箇所か即興的に演奏できる部分を挿入しており、お互いの個性が存分に出ますので、そこも見どころかと思います。

 

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(写真:TANAKANDA のCD [I GOT RHYTHM]ジャケット) 

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(写真:TANAKANDAライブより)


◼️心技体と音楽と相撲
今後、やりたいことは色々とありますが、引き続き、相撲から受ける刺激を音にしていきたいですね。
打楽器は、スピード感、脱力、五感、重心移動などが重要ですが、どれも相撲に共通点やヒントを得ることも多いですし、音楽から相撲に影響及ぼすようなこともできるのではないか?などとも考えています。
また、「心技体」をキーワードにいろいろな方と対談してみたいです。
それと、今回のタナカンダの相撲組曲を、いつか土俵のあるところで演奏してみたいです。

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(写真:元・一ノ矢さん、元・里山さんと稀勢の里地の反物から仕立てた浴衣を着る神田佳子)

→ 12月27日 相撲組曲「Xe」オンライン配信の告知ページ
https://note.com/bon_kan/n/n0edd3bf9624c

→ 12月27日 相撲組曲「Xe」オンライン配信 PR動画

https://youtu.be/H_seysATs6c

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→ 【速報】相撲組曲「Xe」DVD&CD 2021年3月6日発売予定

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