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分かってるはみ出してる事くらい。


幼少期の体験が、記憶が発露している。
当時の記憶からは不鮮明なシーンと感覚しか覚えていないが、いつしかそれが今の自分と繋がっている事に気付く事が、写真を撮っていて多いです。

写真を撮る事によって感情が現れ思想が瞬き思考を載せる事によって表現がカタチになる。
何故こんな形になるのだろう?と考えた事で体の奥にあるものに気付きました。気づくのが遅くなってしまった自分の形。
少し恥ずかしいセルフポートレート。撮るたびに自分を撮っていると感じる、今回はそんな話。


季節の移ろいで形は変わる。
けれどいつもそこにある。
通学路の青いトタンと共にある。
すれ違う人々が気にも留めない
私だけが見える場所。

大きくはみ出したそれ。
自分には越えられない境界。居て当然。の姿がいつも羨ましかったのだ。
と思い返す。

気が付けば何万枚と撮った写真の中にそれが居る事に気付く。
いつまでも越えられなかった線を越えて
いつの間にか私になっていたようだ。

外壁を伝いフェンスを飾る色とりどりの花と緑。
コンクリートの隙間から顔を出す。
時に人に手入れされ、一つの王国を築く者もいる。

ふと足を止める。
私の心に根を張り、身体からはみ出す。
知らない街で私と出会うから。
私だけが私を探してあげられる。



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対峙した時の感情を、シャッターを押した瞬間の記憶を、撮り終えた写真を見て思い出す。
確かに落とし込んだ筈なのに、掬い出せるのは僅かで。ただただ静かに、目の前に写真が1枚あるだけだ。

気付けば遥か昔を想っていて、感情が溢れ出してくる。

分かってる、ハミ出してる事くらい。

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