見出し画像

ウマに興味があったわけではなかった。

べつに、ウマと話がしたいわけではなかった。ウマを飼う予定もなかった。たぶんだけど、この本を手に取った多くの人も、実用書としてこれを選んだわけではないような気がする。
犬やネコの気持ちなら、なんとなく推測することはできるかもしれない、と思う。けれど、ウマは違う。ウマに、「馬語」というほどの細やかな感情があるんだろうか? あるのかもしれないが、自分の守備範囲外すぎてうまく想像ができない。でもなんだろう、馬語。話せたらもしかして楽しいんじゃない?

自分の持つ好奇心に、ナナメから入ってこられた感じ。なにより、このシンプルな表紙にはえも言われぬ愛を感じる。愛。そうだ、愛だ。わたしが想像したことのなかった愛が、ここにある。けっして人間のペースでは成就しない、愛の話なのではないか、これは。何か、この世に自分のペースや常識では進まない物事がある、そのこと自体が新鮮な学びのような気がする。
うん、そうだ、きっとそういう本なんだ。

1冊の本を買うまでに、ここまでのことを考えているわけじゃない。でもある本をふと手にする理由は必ずあって、でもその理由が明確だったことは実はあまりない。
はたして今回の直感は正解で、自分の中には違う視点を手に入れる、ということのための本だったと思っている。

この本には続編として、「はしっこに、馬といる」「くらやみに、馬といる」も出ているらしい。こないだ知った。なんて魅力的なタイトルなんだろう……。買ってしまうなぁ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?