子育ての気付きと、私のしくじりポイント

子育てをしていると、様々な困難にぶつかる。どうやって難問に向かうのか？解決の糸口はどこにあるのか？そんな謎解きのようなミッションがいくつもいくつも現れます。

何でも上手くこなせる子どももいれば、何事もなかなか上達しない子どももいる

このような考え方で子育てをしていたかつての私は、大いに失敗して、散々な目にあいました。
そんな認識で子育てをしてしまうと、かなり見落としがありますし、比較対象が他人であれば、いつまで経っても子どもたちが自分を認める事はできないかもしれません。そしてできることや上手く行っている事まで、見えなくなってしまうことすらあります。

『何事』もなかなか上達しない子もいる

その目線が、解決の糸口を見えなくしていました。諦めるための口実になってしまい、探そうとしなくなってしまっていたのです。

どの子も皆、生まれ持った能力で懸命に生きています。けれど、その生まれ持った能力をちっとも活かせていなかった。能力を活かす為の方法を模索せず、無理難題を押し付けては、できない事を増やし、自尊心を踏みにじり、そして諦める。

正に悪循環。子育てにおいての大切な事を全く私は理解できていなかったのです。人を育てるという事にまるで向き合っていなかった。非常に反省の大きい失敗の数々。けれど失敗は学びの元になる素晴らしいきっかけ。子育て期間のおおよそ半分が経過した今、数々の失敗から学び、未来へ繋いていかなくてはなりません。

何事も上手く行くとは限らない。
何事もなかなか上達しないとも限らない。

『何事』もとくくると見えなくなる。
それはみな、一つ一つの事。

何でも上手く行くようにする必要など無い。

何気なくこなしている事や、夢中になっている事は、たいてい優れた部分や備わった力を頼りにしている。その備わった力の使い方を広げるうちに、思いもよらない備わった力を発見できることがたくさんある。

優れた部分だ！と思って、『何事』にも万能に使えると考えた途端に八方塞がりになってしまう。

『能力を活かせるかどうか』

持っている能力は人それぞれ。アプローチもそれぞれ。どの能力を使えばたどり着けるのか？どうやって工夫すればよいのか？

人間観察が趣味の私。まさか子育てに役に立つとは思ってもいませんでした。それが私の持っている能力であり、アプローチの仕方なのだ。だとすれば、この目の前の子どもたちは一体どんな能力を持ち合わせていて、それらを問題解決の為にどう活かしていくのか？どこから始めれば上手く行くのか？そう考える事ができてからの我が子観察は、より一層楽しいものとなりました。

育児のしくじりポイント

私が、私に備わっている能力を使っていなかった事。

子どもたちが、子どもたちの備わっている能力を使っていなかった事。

これまでの失敗の数々は、これらが最も問題だったのだとよく分かりました。これらを無視した時、大抵は自己卑下に繋がりました。私も、子どもたちも共倒れで本当に散々な結果に終わります。

子育てにおいて、苦手なことから逃げるのはダメなことだとずっと思っておりました。そして努力とは苦手なことや大変な事にたち向かうことを言っていて、得意な事や備わっている能力から遠く離れた所にあるのだと勘違いしていたのです。備わった能力を活かしてクリアーしていくことも努力だという発想が全くなかったのです。

誤学習を起こしている私の学び直しです。

私だって、子どもだって、持っている能力を使って様々な事を乗り越えて行っているはずなのに、あたかも誰かの決めた方法通りでなくては困難を乗り越えられないかのような錯覚に陥ってしまう。

そうではなくて、どう組み合わせればいいのか？いつ使えばいいのか？どれに頼ればいいのか？そう言う問題だった。

能力を伸ばしたり、育んだりすることばかりに目が行ってしまい、いつ使うのか、どれを使うのかがないがしろにされていた。そして、伸び悩む能力ばかりに注目して、伸びやかに広がる能力を無視していたのです。

伸びやかに広がる能力を使うことで、伸び悩む能力が芽吹く様を何度も何度も目にしてきました。伸び悩む能力に注目することを辞めればそれで良かったのです。

子どもたちの能力が開花するタイミングを大人が操作しようとしてしまえば、咲くはずの花芽は育たずに萎んでしまう。

子どもの『育つ力』という能力を、私は使えないように妨げていることがたくさんあった。まだまだこれからも、何度となく妨げようとしてしまうことがあるだろうと思う。『育つ力』を信頼し、存分に伸びやかに広がるように。ちょうどいいくらいに水をやり、肥やしをやり、そして、太陽を待つ。

太陽を待ち、雨を待ち、風を待つ。

全ては伸びやかに『育つ力』が広がるために。