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家族の半分は発達障害

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発達障害者とその家族からみた世界や日常生活。学校の事、仕事の事、投薬の事、二次障害の事などをまとめています。
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2019年11月の記事一覧

自己受容②『お母さん、世界で一番大切な人は誰?』

自己受容の続きです。 前回のエピソード1でお話しした、自己受容が出来てきた事で、お友だちの事を認めたり、誉めたりすることができるようになってきた息子。 日々の成長を感じます。その数日後の出来事。 エピソード2息子『お母さん、世界で一番大切な人って誰?』 なんの前触れもなく、子どもは親に確認にやってきます。どこのご家庭でも、1度は経験あるのではないでしょうか。 これまでは、息子のこの手の質問には、お兄ちゃんが居るときバージョンと、二人きりバージョンで、分けておりました

自己受容

セルフコントロールとアンガーマネジメント『怒り』の生まれるところ の続きです。 ようやく、現在の息子の様子を紹介できる時がやってきました。長々と綴って参りましたが、後もう少しで一旦終了となります。もう少しの間、お付き合いよろしくお願いいたします。 自己卑下から自己受容へと、歩みを進めていると感じる出来事がいくつかありましたので、ご紹介していきたいと思います。 その前に、自己卑下ってなんとなく分かりやすいと思うんですが、自己受容ってどんな状態なのか? 自己受容(Sel

セルフコントロールとアンガーマネジメント『怒り』の生まれるところ

発達障害児と実践!セルフコントロール の続きです。 発達障害児を育てていると、『怒り』と言う感情にしばしば、出会います。 それは、息子が放つ『怒り』のこともあれば、私や他の家族の『怒り』にももちろん出会います。 この、『怒り』と言う感情をどう捉えていくのか?で、日々の生活は変わるのでは無いでしょうか。 私の持論として、感情を『抑えよう』『無くそう』『殺そう』などと思えば思うほど、大きくなるものだと思っています。なので、私は怒ります! 『怒り』はなかなかコントロールが

発達障害児と実践!セルフコントロール

の続きです。 最近よく耳にするセルフコントロールという言葉。難しいと考える人も多いかもしれません。 でもね、以外とかんたん♪です。これを続けて行くためにも、周りを巻き込んでやることをオススメします。一人でやっていると、これまでの状態の方が慣れ親しんでいる分、気を抜くと勝手に元の状態に戻ってしまいます。 一緒にやってくれる人や、もうすでにできてる人にお願いして、元の状態に戻っていないか、お互いにチェックしあえるとスムーズに事は運びますよ。 今回紹介する方法は、内面や過去

発達障害児の見る世界(特性と誤学習)

のつづきです。 発達障害(ASD ADHD)の息子にとって、自分以外の人と、自分の区別をすることは非常に困難でした。そして、相手の状況を推測することはほとんどできませんでしたし、ましてや相手の気持ちとなればもっとハードルは高くなりました。 これは恐らく、ASD 自閉症スペクトラムの特性だと思います。(今ならそうだと分かるのに。当時は全然わからなかったなぁ。) 一つの人間関係のトラブルに対して、なぜその様な事が起こったのか?を説明しても、息子には理解したり府に落ちることは

誤学習から学び直しへ

誤学習のからくり のつづきです。 小学一年生だった、発達障害児(ASD ADHD)の息子は、集団登校の歩くスピードに着いていけず、軽いパニックを起こしました。それを、スピードを緩めるための手段として誤学習してしまいます。歩くスピードに着いていけ無くなると、かんしゃくやパニックを起こし、班の仲間たちへ迷惑をかけてしまうことになってしましました。 集団登校から一度離れて、学び直しをする必要が出てきました。学校と、登校班に許可を取り、息子との話し合いをしました。 その時の事を

誤学習のからくり

自己肯定感を育てる工夫② のつづきです。 行動が強化されていくには、行動が起こった後に注目していかなくてはなりません。 行動と感情を別のもと扱って行くと、とても良く理解できますが、意識していないと、なかなかその発想にいたることは難しいかもしれません。 行動が強化されるためには、その行動を起こした後に何らかの『刺激』があって強化されていきます。 その行動を続ける意味があれば、繰り返し行うようになると言うことです。 その行動を続ける理由は様々ですが、一番初めにその行動が

自己肯定感を育てる工夫②

自己肯定感を育てる工夫①のつづきです。 アメとムチムチは無くても、出来ることあるよ。そんなお話。 前回の記事でも書いたように、どれ程痛い目にあっても、どれほど叱責されても、また元の状態へ戻っていってしまう。回復の原理というものがあります。 ムチの副作用①行動自体を減らしてしまう しかられないようにするために、何もしないようになる。 ②何も新しい事を教えたことにならない 新しい行動は強化と消去の組み合わせによって生まれる。 ③一時的に効果があるが持続しない 回復の原理

自己肯定感を育てる工夫 ➀

こちらのつづきです。 子どもに何かを学んで欲しいと思うのならば、工夫をすることに時間をかけなくてはならないと思っています。どんな工夫がいいかな?それを楽しみにすることができれば、大人の方こそ、ものすごい学びが待っていると感じます。 大人が工夫をすることを、『子どもが考える機会を減らす』と捉えてしまうと、そこで思考は停止してしまいます。 それは私が、子どもを伸ばすために考えたのではなく『自分が目の前にある問題に取り組むのが、面倒なので逃げたいだけ』と、いつも自分に言い聞か

発達障害児は宿題をどうやって終わらせてるの?

↑こちらの続きです。 息子が学校へ行けなくなってしまって、そのまま突入した夏休み。夏休みは学校の事なんて考えずに済みますし、楽しく過ごすことでメンタルの安定にもつながるし、とてもいい時期でした。まだ一年生ですから、夏休みの宿題もそこまで大変なものでは無かったのも幸いでした。 今回はそんな夏休みの宿題や日々の生活で、私が大切にしている工夫についてのお話。 発達障害(ASD ADHD)の息子にとって、興味の無い事に長く関わることは非常に困難です。短時間で区切りをつけることや

きじとらリボンちゃん召喚♪

少し脱線してしまいましたが、↑こちらの話の続きです。 我が家にかわいいかわいいリボンちゃんがやって来たのは、夫がうつ病一年半目、息子が一学期の終わりに学校へ行けなくなって夏休みを向かえた頃でした。 猫が飼いたい、猫と暮らしたい、ね~こ!ね~こ!毎日のように息子たちが私に言ってきました。確かに、うつ病の夫、学校へ行けない息子、この二人の事を考えれば、ふわふわのモフモフちゃんがいてくれたら助かるよなぁ。そんな思いもありました。けれど、ペットショップで猫を買ってくる気にはならな

肯定文のレシピ 弟編

↑の続きです。 まだ保育園に入る前の、未満児(2歳)の弟は、ものすごーくよくしゃべりました。後に、これが発達障害の特性だったと知るのですが、今それを知っていて思い出しても、やっぱ天才でしょ?!(親バカ)としか言いようがない。それくらいの知能が標準装備されて生まれて来たんです。彼の場合はギフテッドではないと思います。ただ、いわゆる一般的な定型の赤ちゃんや幼児のそれとは、比べ物にならないほどの知能でした。恐らく、それは本人にとって、これからも自分を苦しめる部分でもあり、自分を助

夫、救急車で運ばれる 学校へ行けなくなった息子はその時

↑の続きです。 夫のうつ病は数年間続きました。今回は、まだ一年半目くらいの頃のお話し。 当事は、兄ちゃんが3年生、弟が1年生。弟は夏休み前に学校へ行けなくなり、そのまま突入した夏休みの初めの頃。まだ猫たちは我が家におりませんでした。引越し前に飼っていた猫が亡くなって、しばらくは猫を飼う気持ちになれなかったのです。そんな、猫ロスも夫にとって、うつを引き起こす一つの要素だったのかなと今では思います。 家族で朝食を取っていた時、急に夫が箸を置き『う~ぅう(苦)』と言いながら胸

家族の危機に私がとった行動Ⅳ うつ病患者の話をどこまで聞くのか 私の取捨選択

前回のお話はこちら↑ 家族にうつ病患者がいたからといって、あまり私の生活に変化はなかった。いつも通り粛々と生活していたように思う。いろいろと気を付けて行動していたつもりではあるけれど、それはやはり、うつ病の相手のためにしたことではなくて、私のためにしたことばかりだ。 前回も書いたけれど、家族を守るためには私が元気でないとどうしようもない。私が元気でいられるために、二つの縛りを作った。 ①私が私に嘘をつかない ②善意の押し売りに、見返りを求めない これを守っていれば、