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半年間の休職で得たもの

私は2月から休職をしており、会社を休み始めてから半年が経つ。この休職期間中に得たものは何もない。むしろ、失ったものの方が多い。休職したからといって、資格の勉強をする訳でもなく、転職活動をする訳でもない。休職というのは、0からプラスになるのではなく、マイナスから0になるための期間だと思う。

休職期間中には、今まで普通にできていたことができなくなる。家事ができなくなったり、起床時間が乱れたりする。さらには、好きだった趣味に興味が持てなくなる。いわば白と黒のモノクロームの世界になる。なので、私は色彩を取り戻す作業をする。それは通院と服薬をすることであり、お酒を飲まないことであり、とにかく多くの制限と作業が伴う。その結果、体調が良くなったかと思えば、気分が下がり気味になることもあり、とにかく厄介なのである。

今日は2週間ぶりの通院日。電車に乗れば片道30分だが、私はいつも歩いて行くので片道50分かけて病院へ行く。電車賃をケチっているのも確かだが、普段部屋に引きこもってばかりなので、少しくらいは運動しておこうという気持ちの表れでもある。歩いている時は「医師になんて話そう」とか「前に比べて良くなってるエピソードあるかな」とか、考えをまとめる機会でもある。少し歩けば気持ちも晴れてくる。ただ、散歩を日課にするのは難しい。

私の休職期間はまだ続く。早ければ9月から復職となるが、最低でもあと1か月ちょっとは休職することになる。症状が悪化すれば休職期間は延びるが、悪化しそうな気配はあまり無い。その一方で就労意欲があるかというと、これも無い。そもそも、働きたい人間はこの世にいないと思う。辛い思いをして、お金を稼いで生きていくのだから。

近頃、コスパ(コストパフォーマンス)とタイパ(タイムパフォーマンス)という言葉が流行っている。生きていくことは、コスパがいいのだろうか、悪いのだろうか。答えは恐らく後者になるだろう。では、なぜ敬遠されがちなコスパの悪いことを我々は行っているのか。それは、我々は非効率的に生きていくことしかできないからだと思う。

友情でも家族愛でもいいです。思い出してください。友達と友情を深めたときのこと。恋人と愛を深めたときのこと。仕事で人に自慢できるようなスキルを手に入れたときのこと。全部非効率で、時間のかかるものなんですよ。時間をかけないと素晴らしいものは手に入れられないんだ。サラッと手に入るような愛なんて、そもそもいらないよ。

マンボウやしろ

休職は非効率。だからこそ何かを手に入れられる。休職をして時が止まっているような感覚に陥ったこともあった、何をしてんだろうと自分を責める日もあった。非効率だけど時間をかけて病と向き合う。それが、復活への最短経路なのかもしれない。

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