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渾身のドキュメント「正義の行方」

これはある事件についてのドキュメンタリーである。オリジナルはNHKーBSで放送されたドキュメンタリー「正義の行方ー飯塚事件三十年目の迷宮」である。それを劇場用に再編集したもの。これを作った監督の木寺さん(元NHKディレクター)は「この企画はなかなか通らなかった。この企画をあげると上司にもしこれが再審になりもし無罪判決が出たら法治国家としての根幹が揺らぐ事になるぞ。その覚悟はあるのか?」と問われたそうだ。これは飯塚事件と言う1つの事件の事だけではない。民主主義的法治国家の根幹が揺らぎかねない大問題だ。この事件の概要犯人とされ、判決から2年と言う異例の速さで(その間犯行は一切認めていない)死刑が執行された(もし間違いなら無辜の一市民を国権で殺害してしまった事になる)DNA鑑定した帝京大石山教授に「余計な事は言わんで」といつたとされる国松警視総監(当時)の話など(ここには出てこないが)この事件が起きたのは政権与党幹部の地盤である事、この2女児誘拐殺害事件の2年前に「アイコちゃん事件」と言う女児行方不明事件がありそれの捜査が暗礁に乗り上げていた事などがある。結局事件の白黒は判らず(法的には犯人とされた久間元死刑囚の死刑執行で終焉を迎えたが、現在も二度目の再審請求中)この映画のコピーにある「これは私達の羅生門」というのはその通りだ。そして死刑制度自体の問題にも関わってくるのだ。絶対に観るべき。

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