私たちの日常を誰かの”したいこと”へ(西都市観光コンテンツ開発事業業務委託)_R6.7月活動レポート
こんにちは!一般社団法人まちづくり西都KOKOKARAの田上です。
6月はプログラム参加者の皆さんへ向けた初回オリエンテーションを終え、いよいよ7月から本格的に観光コンテンツ開発が始まりました!
当プログラムで目標にしている西都市像は、子育て世代にとって季節ごとに訪れて西都の思い出をアルバムに残したくなるような体験ができる街になることです。
7月は、事業者ごとに伴走担当スタッフとの面談でコンテンツの方向性を定めたうえで、当事業のアドバイザーである株式会社ガルテンの村上萌様(敬称略)のコンテンツ視察とセミナーを実施しました。
伴走支援の記録
KOKOKARAの伴走スタッフは、スタッフごとに2~4事業者を担当し、観光コンテンツの開発やブラッシュアップを二人三脚で進めています。
7月29日~8月1日には、アドバイザーのコンテンツ視察が予定されていたため、7/20までにスタッフと事業者は個別面談の時間をとり、コンテンツの方向性やブラッシュアップしたい部分を話し合ってきました。
8月1日時点では、9組の事業者がプログラムに参加しながら、以下10個のコンテンツ開発・ブラッシュアップに取り組んでいます。
現段階では、各コンテンツが様々な方向性で存在し、ハンコ、ハニワ、サウナ、農業体験など、体験内容というファクトしかできていない状態です。そのため、「誰が魅力を感じてくれるのか?」「似たような体験コンテンツが溢れているのに、どうやって差別化できるのだろうか?」という不安や、そもそも、「わざわざこのためだけに西都を訪れてくれるのだろうか?」と疑問に感じる部分もあるかもしれません。
まだファクトだけの状態であるこれらのコンテンツを「アルバムに残したい季節のシーン」というテーマと重ねて肉付けをしながら、西都らしさがありながらも押し付けすぎない丁度良い温度感で、引力の強いコンテンツへと磨き上げていくことが、今後のステップで目指していく部分です。
まだ、このファクトの一覧から、どんな素敵な体験、ものがたりが見えてくるのか、楽しみに待っていて下さい。
コンテンツ開発セミナーの開催
当プログラムは観光コンテンツ開発ではありますが、旅行業界の専門家の方にアドバイザーをお願いしたわけではありません。
その背景は2点あります。まず1点目はターゲット層が子育て世代であることです。2点目は、西都の観光がいわゆる「観光地」として何百万人の観光客を誘致できる豊富な観光資源のある地域ではないことから、日常の延長線上にあるちょっと足を延ばしたいお出掛け先として、西都のリピーターを増やし、訪れる人と深い関係が生まれる観光地としての在り方が西都の方向性に合っていると考えてるからです。
アドバイザー/講師の紹介
村上萌氏 横浜市出身。結婚を機に神戸・札幌・大阪・長崎と移動。コミュニティメディア『NEXTWEEKEND』の運営をはじめ、期間市の発行、週末イベント、ECストア運営、空間や商品などのプロデュースを手掛けています。
さいと未来のまちづくり会議2023でも、10月に「自分の好きをまちづくりに繋げる方法」をテーマに講師として登壇して頂きました。
村上萌氏が主催するコミュニティメディア『NEXTWEEKEND』は、季節の楽しみと小さな工夫を発信しているライフスタイルマガジンで、多くの企業や商品、地域などのPRを、食や旅、クラフトなど次の週末に取り入れたいアイデアとして日常に馴染ませ、特に20-40代女性に向けた発信を得意としています。
セミナーの内容
「自分の日常を誰かの”したいこと”に変える視点術」を演題とした今回のセミナーは、すでにコンテンツ開発に取り掛かっている事業者に対して、具体的な次の一歩になる実践的な内容が詰まっています。観光に限らず地域の中で新しいものを生みたい人にとっても、とても重要な視点が入っていたので、セミナー内容を一部記録します。
◆この情報過多な時代において、必要なのは”何を選ぶか”という「視点」。自分なりの視点を磨き、自分の視点と西都を掛け合わせることで、西都だけのとがったコンテンツを生み出せます。
◆視点を通して見つけた別々の価値あるものの、それらを組み合わせて、誰かの胸に刺さる新たな価値に変えることが「編集」。価値があるものをどう編集して理想の物語として昇華させるかが大切です。
◆素敵な視点と編集力で新たなコンテンツを企画できても、作り手が自分の言いたいことを自分の言いたい言葉で発信しても相手の自分事にはなりません。これからお客さんになってくれるかもしれない誰かに響かせるためには、誰かのための言葉にして発信することが必要です。
◆できることから考えるのではなく、来てくださる人にとって見てもらえる、コンセプトとストーリーを最初に作った上でどんな体験を提供するか、体験の先に待っている理想の物語作りが大切です。
◆商品を通して顧客を物語の中心に据える、お客さんが主人公の物語を商品に置くことで、お客さんは「商品を消費している自分の理想の姿」を想像して、自ら主人公になってくれます。そんな体験のコンテンツ・コンセプト作りが重要です。
◆今ある素材をどう楽しくするか、同じような体験が沢山溢れる中で、生活者が選ぶのは、サービスの先にあるものがたりです。
◆開発のステップ
皆さんの大切にしていることから(WHY)
↓
お客さんを主役にさせる理想の物語を描く(HOW)
↓
お客さんが理解できる言葉で届けて魅力的な商品に仕上げる(WHAT)
というステップで改めてコンテンツを見返して商品を深めていきます。
セミナー前の時間を使って、講師と事業者の皆さんとのランチ交流会を開催しました。会話の中で、参加者の中から「西都に盛り上がってほしい!!」という強い気持ちが感じられました。
講師のコンテンツ視察
今回、6事業者の体験コンテンツの視察を実施しました。事業者のなかには、すでにコンテンツを持っていて、ブラッシュアップの段階に入っている人もいれば、まだコンテンツが定まっていない人、場所を見てもらいアイデアが欲しい人などフェーズが様々です。そのため、視察についてもワークショップを実際にやってみたり、相談タイムに充てたり、現地を周遊したりなど村上氏には柔軟に幅広く対応して頂きました。
視察では、村上氏が各コンテンツが参考にできるさまざな事例をスピーディに共有して下さったおかげで、漠然と上手くいくのか不安が見え隠れしていた事業者の目にキラキラと希望が宿ったように見えました。
子育て世代に優しい西都の観光情報を。西都ゆるなびへ観光スポットの掲載スタート!
昨年12月から公開している西都市の地域情報サイト「さいとゆるなび」にて、西都の観光スポット情報の掲載を始めました。現在は地域のお店情報が多く挙がっていますが、今年度から観光コンテンツ開発事業に併せてスポット情報もスピーディーにアップしていきます。
観光スポットの記事は、観光チームメンバーの塩月さんが担っています。
西都は、観光ターゲットに子育て世代を据えたり、子育て世代の移住を推進する一方、西都市内でおむつが替えられるトイレや子供連れで休憩できる場所やその情報は十分ではないと感じています。
そのため、記事にはトイレ情報を入れたり、子どもの年齢ごとの遊び方をオススメしたりと、ただ場所を紹介するだけで終わらない、子育て世代に優しい情報をテーマに執筆が進んでいます。
また、一見スルーされてしまいそうなスポットは、歴史や事実の紹介だけでなく、塩月さんの視点で考えた楽しみ方をレポート記事として記載することで、新たな視点や楽しみ方に触れてスポットに興味を持ってもらえる機会になるはずです。
◆西都原古代生活体験館
◆宮崎県立西都原考古博物館
その他
今後の流れ
◆7月5日(金)~7月17日(水) -伴走担当者との面談1~2回(全事象者対象) ◆7月29日(月)~8月1日(木) -株式会社ガルテン 第1回視察(6事業者対象)◆7月30日(火)15:00-17:00 @妻地区公民館 -第1回セミナー「若者・子育て世代向けのコンテンツ開発」
◆8月2日(土)~8月6日(火)
伴走担当者との面談の実施
◆8月7日(水)@オンライン
-株式会社ガルテン オンラインアドバイス会
◆9月3日(火)~4日(水)
-株式会社ガルテン 第2回視察(3事業者対象)
◆9月3日(火)15:00-17:00 @西都市役所北棟3階会議室
-第2回セミナー「若者・子育て世代向けの情報発信(仮)」
一般社団法人まちづくり西都KOKOKARA
観光コンテンツ開発事業 プロジェクトマネージャー
田上 沙慧美
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