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社畜が骨折したら、引きこもりになった件。⑧~骨折したら散財するはめになった件~

注意が必要ない回はサブタイトルで済ませてみようキャンペーン中です。
というわけで、早速、本文へどうぞ。

左手が三角巾で固定されたとしても、できることはあるし、できないこともあります。それは恐怖の着替えや、財布からお金を取り出すような切羽詰まったものだったり、靴が履けないや、リュックが背負えない、食器が持てないなど些細なものだったりと千差万別です。

財布からお金を取り出せないと、後ろに人が並んでいるときとてもプレッシャーがかかります。

まずは、財布からお金を取り出せない件は、早急に解決しなければならない問題で、日常での食材の買い出しから病院の支払まで、どれだけ頑張っても避けてとおることができません。クレジットカードやQR決済が使用できれば何とかクリアできますが、”財布からカードを取り出す”ことがそもそも一苦労でした。なので、素のまま持ち歩いていたスマホに手帳型のカバーをかけて、クレジットカード、診察券とリハビリの予約表、Suicaを右手だけで出し入れできるようにしました。

問題は現金払いの病院ですが・・・・・・ 保留のまま完治するのを待つことになりそうです。なぜなら、労災が認定されてからは、労災で賄える医療費全般が無料になったからです。受傷から3ヶ月が経過した現在は労災では補えない治療に関して別途支払をしていますが、指の力と神経の伝達能力がある程度戻ってきているので、時間はかかるものの問題ないレベルでやりとりできていると思います。・・・・・・思いたいだけかもしれませんが。

靴が履けないと、外に出るのが億劫になります。

靴が履けないと気がついたのは、日用品を近所のスーパーに買いに行こうとしたときです。いつものように立ったまま足の指先を靴に入れ、靴のかかと側おさえながら足をいれようとしたら、固定しているはずの左手が無意識にすっぽ抜けてしまうのです。さすがに左足の靴を右手で保持することはできないので、玄関内で靴べらの捜索が始まりました。現在は、外出中に何かあったらまずいので携帯用の靴べらを持ち歩き、難を凌いでいます。

リュックが背負えないと、通勤にも買い出しも不便になります。

以前お話ししましたが、会社で仮眠をする生活が当たり前だと通勤時に必要な荷物が膨れ上がります。着替え用の下着やパジャマやタオル類、歯ブラシや常備薬などの衛生用品(人によって、ひげ剃りや枕、化粧品も含まれる)、早朝勤務の場合、その日の昼と夜と翌日朝のお弁当(簡易のキッチンで作ったり、外に買い出しにいくこともあり)、仕事で必要な書類など1泊2日どころか2泊3日レベルの分量になることさえあります。

入社当初は前職で通勤に使用していた大きめのトートバッグに詰めこみ、肩に担いでいましたが、通勤ラッシュで人の波に引っ張られ、床に置けば人の足に蹴飛ばされ・・・と、散々な目にあったため、同僚のアドバイスに従いリュックに切り替えていました。それでも厚みと大きさはおしゃれとは無縁、運動部の学生でも納得の量で日々、断捨離に励んでいたぐらいです。

しかし、リュックを背負うには両腕の関節の可動どころか、腕の捻りが必要になります。理学療法士の先生曰く「骨折から回復したの判断材料として、下に下ろした手が、第一段階で垂直(前習えからバンザイまであげる)と水平(カカシの90度が最低限、可能なら垂直方向に向かって上腕を耳に近づける)、第二段階で後ろに伸ばす(可能なら関節を曲げて休めの姿勢をとり、手のひらを肩に近づけてみる)、それらをクリアして、ようやく第三段階、捻転ができる」とのこと。

なので、お茶碗を持つ、蛇口の開閉、洋服の脱ぎ着、洗濯、掃除など無意識に行っている行動の殆どが、第三段階”捻転”を経ているため、完治しないかぎり違和感を抱くことになるそうです。ですが、リュックどころかトートバッグを担ぐにも、1ヶ月以上固定したことで落ちた肩や背筋、上腕や握力だけでは保持できない状態で、最悪なことに三角巾を支えていた右肩も凝り固まっていたのです。そのため、私にできることは段階的なリハビリをこなすことと、少しでも楽に動かせるように、便利アイテムに手を出すことでした。

ぱぱっと変身【5wayコアルーバッグ】重さを分散して超楽ちん ~プロも絶賛~|Creema SPRINGS (creema-springs.jp)

こちらは、同じ鞄でショルダーにも、リュックにも、前抱えにもなる万能のストラップです。片方の肩で担ぐのが難しい人に向けて、両肩で支える前抱え(抱っこひも)は、とてもありがたいです。均等に力がかかるし、通勤ラッシュ時、鞄を引っ張られずに済みますよ。

食器が持てない、それ以前に鍋類が移動できないと、食事ができません。

経験しないと理解に苦しむ話のひとつとして、お茶碗の高さの維持や、コップを口に持ってくることが難しくなります。コップはよほど大きいモノでなければ手を持ち替えればどうにかなりますが、お茶碗のような食器はそういう訳にはいきません。ラーメンの器や大きなどんぶりを持ち上げるのはもちろん、お茶碗や味噌汁椀を口に運ぶのさえ気合いが必要になります。

自炊が必須であれば、食事の支度はリハビリそのもの。包丁は使えても食材が固定できない、蛇口の開閉はどうにかできても水をためるまでポットを保持できない、食材や食器を洗おうにも保持できないなど、ないない尽くしです。特に、フライパンや両手鍋の移動は、入っている食材の重さで難易度が急上昇します。そこで、少しでも楽にできるように、ホーローの鍋ではなく軽い素材の鍋、厚みのある大きめのフライパンから少人数用のものへ買い替えました。

また、症状によりますが、牛乳パックは紙を引き裂くタイプからキャップ式に、ビニールに入ったものは切れ目がない限り買わないように気をつけたりと、事細かにあげていけば山のようにあります。それでも、工夫したり、別のものにしたり、妥協したりと試行錯誤すればどうにかなります。実際、快適には少したりないかもしれませんが過ごせています。

理由は千差万別ですが突然の不自由に襲われて、何もできなくなったと、諦めていませんか? 私自身、着替えをしている最中、情けなさと、憤りと、やるせなさと、いろいろな感情でゴチャゴチャになりましたが、「何かできることを見つける探検に出れた!」と開き直ることができてから、ずいぶんと楽になりました。それどころか、休職で持て余している時間を使って、今まで未経験だったことや、やり直したいことをやるチャンスだと、いろいろと手を出しています。

そこまで楽天的になれなくても、小さな発見、今日出来たことなどを日記に書いていくだけでも視点は変わります。その時は実感がなくても、後日、自分の感情を冷静に振りかえり、自分が成長していると理解できます。その決意を、私は再診1回目の直後にしました。

ということで、再診1回目の話につづきます。

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