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社畜が骨折したら、引きこもりになった件。⑫~労災や社会保険に関するシビアな距離とお金の話~

前回は受傷した時間別で覚えておきたい4つのポイントでしたが、今回は労災や社会保険に関するシビアな距離とお金の話です。

まずは、前回の続きから自宅療養の延長が決定するまでを、太字になっているキーワードを押えながら、再度ご覧ください。

2024年1月6日同日。
職場から2キロ圏内の整形外科医を受診。2024年2月5日まで約1ヶ月の自宅療養を要する見込みの旨の診断書を受取る。
2024年1月12日。
同医院を受診。骨のズレはないが新しい骨の形成もなし、自宅療養の継続と診断。職場に診断書を提出、労災保険の給付申請用の書類の作成を依頼、受理される。同時に、休業に関する手続きおよび今後の対応を話し合う。

短い文章なのに、押えておきたいキーワードが多いです。ここは知ったかぶりをするとキケンなので、ひとつずつ丁寧に追っていきたいと思います。

貴方が受診した病院、診療所は、職場および自宅から何キロ圏内でしたか?

前回お話したとおり、労災は、業務中、通勤中、業務内の休憩中に発生した事象に限られます。通院交通費も、基本「被災労働者の居住地または勤務先から原則片道2km以上の労災指定病院、診療所」限定で支給されます。なので、私のケースだと”労災指定病院ですが職場から2キロ圏内”ですから支給されません。ただし、私の場合は、下肢の筋力維持と、社会と関わるため遠出の機会を持ちたくて、療養中の自宅から1時間かけて通院しています。その間の通院交通費が労災として認定されるかどうかは、復帰後、職場に問い合わせをする予定です。

ですが、一般的な流れとしては、他にも応急処置が終わり、労災の申請が問題なく通ったあたりで、医師や職場の担当から自宅近辺への転院を提案されます。その理由が「特定の病院でないと治療がしたい」とか、「長期療養になりそうなので自宅近くの病院に」とか、「復職が間近なので職場帰りに通える病院に」であれば妥当といえますが、「通院交通費が欲しい」とか、「主治医と相性が悪い」といった自己都合と判断され、申請が通らなくなるかもしれません。

そんな裏事情はさておき、転院することを決断したら、3つの準備を事前に済ませておくとスムーズに転院できるはずです。

会社から労災書類への証明をもらう。
変更前の病院から紹介状をもらう。
自身の症状を把握しておく。

労災の治療中に病院変更できる?紹介状がない場合や必要な手続きを解説 | 労災(労働災害) 無料相談センター (rousai-soudan.com)

労災は、原則、自分から申告し、申請するものです。その際、職場でしかできない手続きや許可が必要になるため、通例として会社が代理で申請していますが、私が職場から聞かれたように、「労災か、有給か」は被災者自身が選んだと明言できるようにしてください。後々、「本当は労災にしたかったのに、有給にされた」とか、「有給にしたかったのに、労災にされた」という齟齬が生じたとき、会社と戦えなくなります。労災も有給も労働者の権利ですが、規定という義務に従わなければ、権利は消失してしまうのです。

なので、1つめに、”労災保険の給付申請用の書類の作成を依頼、受理”という一連の流れは、最初の病院と処方箋薬局だけではなく、転院ごとに繰り返さなければなりません。もし、転院時に書類が完成していなかった場合は、健康保険が使えないため自費100%負担で前払いし、書類完成後に返還してもらうことになります。ちなみに、私は、財布を取り出すのに一番苦労した初診と2回目の診察代を立て替えました。

2つめは経験がないのでわかりませんが、3つめは、職場への説明や後日行うことになる産業医との面談でも必要になります。それを誤って説明してしまうと、復職の期日が延びたり、治癒していないのに治療の中断を求められたりと、不当な対応をされかねません。説明が苦手であれば、診断書やレントゲン写真、カルテ、リハビリテーション実施計画書などを持参したり、事前にレポートにまとめておくなど、面談前日までに整えておいてください。

今回の件で、厚生労働省のサイトはもちろん、労災に関するコラムなど、いろいろ読み込みました。それは会社側の動きに関するマニュアルだったり、不当な対応をされた労働者側の裁判事例だったり・・・・・・シビアな話がいくつも書いてありました。幸いなことに、私は関わることなくクリアしていたり、ありそうだけど未来の話なので判断できないことばかりでした。

ただし、今回の”通院交通費と転院の関係”プラスして、下記の3つは、絶対、事前に知っておくべきです。

  1. 労災は受傷後4日目から適用される。なので、最悪3日は有給消化が必要。そして、労災は労働者にとって当たり前の権利だから、行使することに問題はありません。ただし、理由はあれど長期離脱となるので、職場の査定に響くかもしれません。私の職場では、他の方の前例から考えて、間違いなく夏のボーナスに直結します・・・・・・。

  2. 労災を申請し、休業期間に入ると基本給、通勤手当なども基本、ゼロになります。完全な無給です。が、休業補償が給付されるタイミングは会社の規定によって違うので、口座残高が心配になるまえに相談か、規定を調べましょう。誰かが口にしていた「口座には万が一の場合に備えて半年分の給料が必要」というのは、本当かもしれない・・・・・・。

  3. 休業中の社会保険料は自腹。職場でまとめて払うのが原則なので、自力で職場へ症状の報告や診断書の提出できるなら、ニコニコ現金一括払いを求められるかも。これが、かなりイタい。更に年齢が高いと介護保険までプラスされていく・・・・・・イタすぎる。

という感じに伝えたいことが、もう少しあるので、次回につづきます。

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