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イタリアで細胞培養食が禁止

イタリア政府は、3月28日に、細胞培養肉などの細胞培養食品の製造と販売を禁止する法案を提出しました。イタリアの最大の農業組合である「Coldiretti」は、この法案を支持し、官庁街でフラッシュモブを行い、「合成食品にノー」とのメッセージを掲げました。

この法案は、豆類などを原料とした植物性代替肉ではなく、動物の細胞を組織培養された細胞培養食品を禁止対象としています。法案が可決されれば、違反者には6万ユーロ(約850万円)以下の罰金が科されます。

イタリアの保健相オラツィオ・スキッラーチは、法案を閣議決定した後の記者会見で、「現時点で細胞培養食品の摂取の有害性を示す科学的根拠はなく、予防原則に基づくものだ」と説明しました。

この法案は、欧州でも話題となっており、欧州連合(EU)では、今年6月に細胞培養肉の販売を承認する予定です。ただし、承認にあたっては、製造方法の安全性や健康への影響など、多くの検討が必要とされています。

細胞培養肉は、動物の細胞を培養して肉を作り出す方法で、環境問題や動物の福祉問題に対する解決策として注目を集めています。一方で、健康への影響や、従来の食肉との違いについての懸念も指摘されています。

イタリア政府がこのような法案を提出したことで、細胞培養肉の製造や販売に対する世界的な議論が加速することが予想されます。

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