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まりあの暴走を振り返る

まさかこんなことで困るとは思わなかった

自分の中に、男の自分、女の自分がいるって本当に大変だ。
性別不合で生まれてきて、いちばん困ったことだったと思う。
これまで生きてて、困難や苦しみもあったけど、今回の件は一言で言えば「ややこしい」だ。こんなややこしい問題、どう対処したらよいか分からないし、私自身ノイローゼ気味になってしまい本当に精神的に参ってしまった。

ことの始まりは昨年7月に女の子の方の私にすごい好きになった人ができたこと。しかしいろいろあってその方とは急に連絡が取れなくなり、女の子の私が精神的に不安定になることがあった。
でも男の私としては、「知らん」だし、自分のことなのに他人事のように思えてとても妙な感覚だった。
ただ、女の子の私が受けたショックが相当大きく、「突発的に悲しい感情が吹き出てしまう」と言ったことが何回もあった。

彼女の感情のエネルギーは凄まじい。男の私でも、女の子の私の感情だけは制御できず、起こるたびに収まるのを待つしかなかった。

女の子の方の自分を理解する大きなきっかけになった

女の子の私とは、男の私の感情の一部が独立し、自我を持っている状態。

女の子の私は、私の感情の一部が独立したものだと考えている。
嬉しい、楽しいなどの感情の大部分が男の私の方になく、女の子の私のほうが担当している。思い返せば男性の自分が強かった時期はなんとなく「楽しい」という感情が欠如していて、鬱になりがちだった。

論理的思考をする部分と直結していない

女の子の自分を観察していて、一つ気づいたことがあった。
女の子の私の大部分が感情で占められており、ロジカルシンキングをする部分とは直結していないということだ。
そのため、女の子の自分が考えていることを推測して、いったん男の私の方に変換、思考するといった回りくどいことをする必要があった。

しかし私にとっては女の子の自分のことは他人事なので、私に情報が降りてくる頃にはその悩んでいることが何なのか忘れてしまうといったことがほとんどだった。
そのため悩んでいることが、彼女にも解決できないし、私にも解決できない。そんな具合だった。

落ち込んだり元気になったり、どうしてそうなるのかがよく分からない

女の子の私、落ち込んだかと思ったら翌日には元気になっているといったことが多かった。昨日まではあんなに落ち込んでいたのに、何事もなかったかのようにケロっとしている。どのようなプロセスを経て元気になったのかが全くわからない。しかしまた落ち込む、その繰り返し。
女の子が出ていないときは男の私が代わりに出ているが、いつ暴発してもおかしくない爆弾を、胸に抱えているような感じがしてならなかった。

女の子の私は精神的にとても幼いと感じる

女の子の私は精神的に非常に幼いような気がする。
最初は、女の子の私が、好意を寄せている男性と付き合えなくなったのが嫌なのだと思っていたが、そうではない。単にその男性に会えなくなってしまうのが嫌なのであって、付き合っているかどうかは関係ない。
自分の大好きな人に会えなくなるのが嫌、まるで子供のような駄々をこねていたのだということに気がついた。

誰かを好きになるエネルギーは素晴らしい

この半年間はいったいなんだったんだろうか?あんなに苦しかったのが終わり、こんなに落ち着いていて不思議な感じがする。
女の子の私も新しい目標や生きがいを見つけて今はすっかり元気。前よりずっと輝いているような気がする。

女の子の方の私はとにかく明るくてまっすぐだ。
この人だと思った人を好きになった瞬間、彼女の心に灯火が灯ったような感覚だった。その人を無理に忘れようとすると、その灯火が消え、エネルギーを喪失してしまう。
「たとえその人がいなくなったとしても、その人からもらったエネルギーはなくならないから大丈夫」だと思って今は落ち着いている。本当にその通りだ。

この件でいろんなことが分かったけれども、今までこんなことなかったから、どうしたらいいのか分からなかったというのが正直なところ。
苦しみが終わり、今は非常に安らかか気持ちである。

28歳の時「ゴメン、本当の性別女じゃなくて男だった」を食らった性別不合の当事者です。日常的に男女の性別使い分けを強いられそのまま根付いてしまった奇妙な人生。サポートや紹介していただけるメディアさんも募集しています。