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【ゲッターズ飯田公認エッセイ】 成功者に無趣味な人などいるのだろうか?

ゲッターズ飯田はたまに「無趣味」と発信することがある。
が、私は断言できる。若かりし頃から、読書と落語が趣味だ。

 
まず、読書に関することだが、本を買うお金すら持ち合わせていなかった頃は、時間ができれば、図書館や本屋さんで立ち読みをしていたという。(実体験から著書に「立ち読みでもいいです」と書いています)
 
しかもゲッターズ飯田は、1冊をじっくり読むのではなく、10冊ぐらいの本を並行して読むという。1章など区切りがあるところまで読んでは、次の本を読むという。そのジャンルは、ビジネス、健康、歴史、投資など多岐にわたる。

私も、情報を扱う番組に携わってきたので、この気持ちはよくわかる。乱読にも関わらず、点と点が繋がり、得た情報を有効活用しやすくなるのだ。例えば、番組内で「キャベツ」に関するコーナーを作って欲しいということになれば、品種、健康、歴史、人物など色々な角度からキャベツについて情報収集することが必要になる。が、日々、本に触れている事で、様々な情報を調べてまとめることが苦になるどころか面白くなっていくのだ。
 
ゲッターズ飯田の場合は、芸人を辞めてからの収入源は、放送作家の仕事と雑誌などの原稿を書く事だったので、あらゆるジャンルの本を読み漁り、コーナー企画のアイデア出しや、キャッチーな見出しを書く時などに活かしていたようだ。
 
もちろん無償での占いにも趣味の読書が役に立つ。
 
カフェの経営経験が占いに役立ったのと一緒で、知識があればあるほど、占いに困らない。なぜなら相手は自身の職業の内容や専門用語などを会話の中に入れてくることはざら。その時、仕事内容や用語がわかるかわからないかでアドバイスの説得力も違ってくる。無償で人を選ばず、コンサルタントのように準備も一切せずに占うゲッターズ飯田にとって、読書は、会話に困らなくなったり、語彙力が増えたりするから利点だらけなのだ。
 
もうひとつの趣味、落語も一緒だ。
 
ゲッターズ飯田の占いをはじめて番組で扱ったときの衝撃をいまも忘れない。
 
それまでのメディアに出る占い師にはいなかった、本番で、手相と生年月日を聞いて即占うというスピード感はもちろんのこと、話の抑揚と間、さらに、占いの当たる当たらないよりも、体温の込もった話術に、占われている演者だけでなくスタッフやマネージャーなどその場にいる全員が惹きこまれていく様に強く興奮を覚えた。

(ちなみに、その場にいない有名人を占う場合、スタッフさんが用意した生年月日を基に占うので、その生年月日が間違っていると、どうにもこうにもな鑑定になってしまう。また有名人は生年月日を変えていることもあるので、その変がなんとも悩ましい…)

この話術のスキルは芸人だったということ以上に、子供の頃から落語をテレビで観たり、ラジオで聴いたりしていたことが大きいとのこと。

身振りと語りのみでお客さんの前で堂々と話す落語。お客さんを飽きさせない喋り方や間であったり、噺から得た教養や雑学、人間の業から学ぶ「運」との付き合い方など、たくさんの魅力があるそうだ。だから今も、なかなかチケットをとる事が出来ない立川志の輔さんの「志の輔らくご」に足を運んだ後日は、どうお客さんを惹きつけていたかという話を楽しそうにしている。
 
また、趣味の落語で磨いたゲッターズ飯田の話術が、吉本の大御所から新喜劇まで1500本以上の劇を演出してきた芸術監督・湊裕美子さんの目に止まり、不定期開催で、毎回ソールドアウトとなる舞台「大人の開運トークショー」も行っている。湊裕美子さんの演出から学べることも多いらしく、舞台に立つたび反省点があるらしい。とはいえ、厳しく叱られることはないので肌で感じ、課題が見つかる度、好きな落語に触れ、次に活かすという。
 
今の時代は、「趣味が仕事に繋がっている」ことを隠さず言う有名人が増えたが、ひと昔前は、ゲスト出演した番組等で「趣味は全て仕事のため」という切り口で話す有名人は少なかった。例えば、とある人気バンドのヴォーカリストは、卓球が趣味と発信している。このハマったきっかけは、ヴォイストレーナーに「良い歌声を出すための姿勢をとるのに卓球がいい」と勧められたからだという。けれども、ゲストとして呼ばれ、与えられた短い時間でハマった動機を立てると、趣味を楽しんでいる感じが伝わらなくなってしまうため端折っているという。
 
ゲッターズ飯田含め、昭和生まれの人は「無趣味なんです」とメディアで発言してしまう傾向が強い。仕事に直結していること、努力に見えてしまうことを趣味と言いたくないのだろう。また、自分よりもっと詳しい人はたくさんいるから趣味と声高に言いづらいという場合も。ゲッターズ飯田の場合は後者の気持ちが強い気がする。
 
最近読んだ岸博幸さんの本に、「諸説はあるが一説には、人間が集中できるようになったのは、600年ほど前。グーテンベルクが印刷技術を発明し、大量の本が世に出回るようになり、本を集中して読むという、それまでとは異なる行為を繰り返すうちに、集中力が養われたといわれている」と書かれていた。ゲッターズ飯田が占いをする際の集中力。趣味の読書で養われているに違いない。
 


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