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プロローグ〜分岐点〜2016.その3

こんにちは、BKです。

↑↑↑前回は分岐点となるきっかけの概要を時系列的にお伝えしました。
自身に起こるかつて経験のない異変に、どうすることもできない僕は友達
に連絡し夜の22時頃救急外来の受け入れをしている病院へと駆け込みました。
今振り返ると当時僕を救ってくれた友達には感謝しかありません。

病院へ到着し、問診表を記入後、胸のX線写真の撮影と採血検査を行うこと
になりました。僕以外にも受診している患者さんもおられたため、しばらくの
待ち時間が生じるのですが、ここでも椅子にまともに座れる気力がなく、
2.3脚にまたがり横になっていました。
駆けつけてくれた友達2人の会話も、中身が入ってきません。
設置されたテレビで放送されていたオリンピックの歓喜の音声も、
今の自分にとっては虚しく響くだけです。
とにかく早く自分の順番が来ることしか頭にありませんでした。

到着して何分経ったのだろう...
その間も大量の汗をかいては寒気を感じる症状は継続していて着ていた服は
汗でビチョビチョです(夏に長袖ニット生地の衣類を着用)

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※写真のようなニット生地がビチョビチョでした。

8月の暑い真夏の時期に冬服を着用し、汗だくでブルブル震えている。
側から見たら、さも異様な光景だったことでしょう。
そんな視線を浴びる恥じる余裕もなく、震えて待っていると遂に
僕の名前が呼ばれ、最初にX線写真撮影、続いて採血が行われました。

各検査が終わり、診察の時を待ちます。
意識のはっきりしている時の検査結果待ちと
意識の朦朧としている状態の結果待ちとでは
結果に対する心持ちがこんなにも違うのか、と
この時椅子に横になった状態の中感じていました。

前者の特に自身に病状の思い当たる節がない場合、検査結果が悪かったら
どうしようとそわそわして結果を待ちたくない気持ち。
それに反し、後者は結果が悪いのはなんとなくわかっている、そんなこと
より早くこの症状が治るよう処置をしてくれという気持ち。
普段医療に携わっている身ながら患者様の検査結果に対する心境を
肌身で感じた瞬間でした。

しばらくして遂に自分の名が呼ばれ、診察室に入りました。
呼吸が苦しく呼吸器疾患も推測していた僕の予想に反し、X線において
以上は確認されませんでした。
次に採血結果です。結果がパソコンの液晶に映し出されます。
蛋白質、LDH、WBC、CRPといった炎症が起こる際に変化する値に
異常を認めましたが、ある程度予想できました。ただ1つの項目に
目が止まると同時に先生からも指摘を受けます。
『血小板だけが顕著に低いのが気になりますね...』

血小板(PLT:Platelet
血液中の細胞成分の中で赤血球についで多く、一次止血が主な役割。
共用基準範囲:158〜348×10³/μL

引用
矢冨裕、通山薫、標準臨床検査学 血液検査学;1−26、2016

血小板は本来、外傷や炎症によって損傷を起こした血管に働きかけ
傷口を塞ぎ、止血する作用を持つため、今回の症状でも減少はある程度予測は
できたのですが、液晶に移しだされた数値は60×10³/μL。
健康診断では僕の血小板数値は200〜250×10³/μL辺りが常。
明らかな減少でした。呼吸器疾患どころか血液疾患が鑑別に挙がる
検査結果となったのでした。

予想外の結果に驚きつつ、先生からある提案をされるのです。
『血液疾患の精査が必要ですので、別の病院への紹介状を書きます。
週明けに紹介元の病院へ診察に行ってください。』
その病院とはなんと...僕の勤め先の病院だったのです。
先に僕が医療従事者というのは記載していましたが、
自身が勤めている病院には意外と診察してもらいたくないものです。
元来勤め先は救急医療も行っていましたが、
上司や同僚に病状を知られたくない保身や守秘の心理が働き、友達にも
勤め先には搬送しないでほしい旨は伝えていましたが、結果として
受診せざるを得ない状況となってしまうのでした。

今回はここまで。
ご精読ありがとうございました。続きはまた次回。




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