はじまりのはじまり


午前5時30分、部屋に鳴り響くアラームの音

霞んだ紫色のカーテンの隙間から差し込む太陽の光が空中を舞う無数の埃に反射し、日中にしか現れない天の川が部屋に現れる。(ちゃんと掃除しないからホコリがまってるだけ)

僕は重い身体を起こした。段々とボリュームの上がるアラームの音を聴きながら、ボーッと天井を眺めた。(早よ止めろや、みんなの迷惑だろ)

このまま紅の豚みたいに天の川に登っていけたらどれほど幸せかとうい思いとは裏腹に僕の左手は目覚まし時計へと向かっていった。

頭がぐらぐらする。昨日は少し考え過ぎた。

昨晩必死になって考えた、人生についての持論は嘘のように忘れ去られ、また新たな1日を迎える。

人生とは今日の積み重ねであるとはよくいったもので、唐突に劇的な変化なんか起こりはしない。

ちりも積もれば山となる。継続は力なり。そんなことは重々承知だ。でもなぜか、いつになってもそれが出来るようにはならない。

僕は今日も明日の自分に期待することしかできないまま今日を終えるだろう。

人は僕のことをこう呼ぶ。

『怠惰マン』



完。






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