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【死語現禁】297.根暗

(日:ねくら)(「根が暗い」を略した俗語)本性が陰気であること。また、その人。(広辞苑第七版)

<用法>
テルノブは寡黙なので、同級生から根暗と言われて寄り付かれなかった。
マユミは、自分はネクラだからダメなんだと悩んでいた。

<解説・思い出>
「296.根明」と対の言葉で、僕が高校生の頃から青年期頃まで、非常によく使われた言葉です。

僕の高校の頃は「根暗」と判断されると、いじめの対象予備軍でした。
「お前は暗い」
などと言われると、「クズ人間」のレッテルを貼られるような感じでした。

世間全体が根暗を忌み嫌っていて、明るく前向きな「根明」を奨励していたような記憶があります。

しゃべらない、考える、悩む、悲しむ、怖がるなどは全て「暗い」ことと判断され、そんな状態の人は「根暗」と一括りにされていました。

悩んだり悲しんだり怖がったりするのは、世の中全体が危険な方向に進んだ際などには、その進みを止めるためにも非常に重要な感情なのです。そういった感情を「負の物」として断罪してしまう、危険な言葉でもありました。

僕もネクラと言われないよう、非常に神経質になっていた記憶があります。
内向的な人を傷つけた言葉でもありました。

現在では、人の性格や行動は多様であり、2種に分けて断罪するのは良くないという認識が浸透し、この言葉も滅多に見聞しなくなっています。

このまま死語になって行ってほしい言葉ですが、「勝ち組」「負け組」などのように、人を2種に分断すること自体は現在も続いています。

根暗と言う言葉が多くの人を苦しめたことを思い出し、人を分断する事はやめたいものです。

死語ランク:☆
☆・・・多くの人が知っていて、言った人に「懐かしい」と言うレベル。

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