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掬う音

今日は久しぶりに何にもしない日だった。先々週は熱があったし、連休の前半は色々とお出かけした。人と会わず、大したこともせず、ずっとベッドの上で過ごしたのは、本当に久しぶりだった。これがたくさん続いたら上手く動けなくなるけれど、こういう日もなくちゃやっていけないことを、久しぶりに思い出した。

何にもしなかった、と言っても何らかのことをしていたのは事実なので、それを書いておこうかと思ったりしている、夜更かしな夜です。




最近、朝4時〜5時の間に目が覚める。前日何時に寝ても、大体目が覚める。朝日がカーテンの隙間から漏れてくるから。

休日だとわかっている時点で二度寝が確定するくらいには瞼が重たくて、でも相変わらず朝日は眩しいから、寝落ちしたくて漫画を読んだ。YouTubeにあるボイスマンガ(声優さんの声が入っているマンガ)とか、BGMだけ挿入されたマンガを探した。

いつもはあんまり選ばないものを見たいと思っていた。ちょっとだけ、勝手に傷ついてるんだろうってことくらい、自分でよく分かっていた。読みたいお話というのは、その時の感情に影響されているものだから(逆も然り、読んだものに影響されることもある)。


先日、今後の日程連絡が来て、同期の名簿が1枚入っていた。

全員で順番に並んだ時、僕の後ろにいる子のことを思い出した。僕がちょっとおどけてみせるとツッコミを入れてくれるし、冷静でひけらかさず、社交性が必ずしも高い方ではないが良い人だなあと思う。

1泊の宿泊研修をしたとき、女子だけで飲み会のようなことをしていて、その子のことが好きなのかと聞かれてしまった。せっかくの研修だから楽しもうよと、その子に声をかけて一緒に歩いていた所を見られていたらしい。

そんなことないよ!と言って、でもすごく良い人だよね、とも言った。すごく良い人だ、本当に。出来れば可能な限り長く友達でいたい。

でも、友達でいたい、は少しだけ間違っている。そもそもあの子と僕が、本当に友達かはちょっと怪しい。ただ順番に並んだ時に前後に並んでいるだけで、席が近いから隙間時間にお話をするだけで、それ以外はあんまり話さないようにしている。

迷惑かけちゃうからだ。
馬鹿みたいに、そう思っている。
馬鹿だなあと思いながら、それでも結局そうしている。

友達とならこうする、がわからないし、だんじょで普通こういうことはしない、に納得できない。納得はできないけど、普通しないことはわかるし、普通しないことをすると迷惑がかかるだろうってことも知っている(普通しないだろうことをすると、僕自身が疲れてしまうこともある)。


ともかくそういう、馬鹿なことを考えている。
少なくとも現状、これが恋愛だとも思わないけれど、
あの子ともう少しお話がしてみたいし、あの子に面白い人だと思ってもらいたいし、面倒な人だと思われたくはない。……こういうことを、結晶のように記憶に残っているそれぞれの人に対して思って来たのだから、これもまた、この先も記憶に残るのかもしれない。

あの子は優しくていい子だ、と言い聞かせる。迷惑はかけちゃいけない。普通一緒にご飯には行かない、行かない、行かない。。

そうしたら今度は、(あの子はいい子だと言い聞かせるうちに)視界から消してしまいそうな、あの子の“優しいいい子”で説明出来ない一面もあるだろうということを思う。思って、信仰してはいけないと言い聞かせる。
あの子はあの子で、僕の理想(のためにいるわけ)ではない。

ああ、猫になりたい。

そしたらきっと全てが解決するのに。



そうやって考えてしまうから、勝手にもう傷ついている。僕は僕の理想ではないから。


**

朝ごはんを食べて、二度寝(三度寝)から起きたら昼前だった。ゲームをして、昨日の残りのポトフに茹でうどんを入れて昼ごはんにした。

午後はずーっとゲームをしていた。クエストが進んだ。三連休に買っておいたマンガの新刊を読んだ。恋愛要素強めだった(物語が進んできた証拠)。
たまにYouTubeも見た。最近見つけた曲をリピートして、歌詞を読みながらちゃんと聞いてみたりした。

夜ごはんはパスタを茹でて、レトルトソースをかけた。完璧な夜ごはん。今日、誰にも会っていない。買い物もしていない。最高だ。


こんな日が、たまにはあってもいいと思う。
たまにはこんな日がなくちゃ疲れてしまう。


だから、今日はゆっくりすればいいよ。のんびりして、好きなだけ疲れを感じて、好きなだけ傷つけばいい。

明日また、朝日で起きるのだろうから。




、おやすみなさい。




***


この方の歌い方、好きです。

tuki.『地獄恋文(インフェルノラブレター)』


サビが綺麗だなと思って聞いていた曲
松浦航大『あみだくじ』





最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでくださったあなたの夜を掬う、言葉や音楽が、この世界のどこかにありますように。明日に明るい色があることを願います。どうか、良い一日を。