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せめて私は、それを大切にしたいんだ。

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自分が書いた詩や小説等を集めています。
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2020年4月の記事一覧

【詩】船と年輪

「何かを捨ててきてしまった僕ら」 *** 僕らは年輪みたいに 毎日少しずつ大きくなっていくものじゃなくて 多分 川を下る舟みたいな存在なんだろう 誰もが同じスピードで流されていくしかなくて いろいろなものを拾いながら、 いろいろなものをどこかに落としてきてしまったんだ でも それに気がつくことができなくて 僕らは 昨日持っていたものに今日拾ったものを加えて そうやってまた少し大人になったのだと思っている 年輪みたいに、 足し算だけでここまで来たのだと信じている あんなに