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#僕メタ、そして落合渉悟とは?

2022年5月21日発売『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』

フォレスト出版編集部の寺崎(@yokuterasaki)です。

2022年5月、満を持して世に問われる『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』(落合渉悟・著)。ハッシュタグ「#僕メタ」はブロックチェーンで実現する、戦争も貧困も搾取もない世界を描く。

本書は、この世界の様相を変えていく可能性を秘めた、静かなる革命の書である。

本書の内容

「メタ国家」と聞いてあなたは何を想起するだろうか。あなたは国家に何を期待しているか。民主主義ははたして機能しているか。かの国では戦争が終わらない。武器は提供しても、助けてくれる国はない状況だ。世界は危機的状況にあるのかもしれない。いや、そんなことはない。なんだかんだ、いつだってバッドな状況を乗り越えてきたじゃないか。だから、なんとかなる。そんなオプティミズムが僕らを救ってきたのは、たしかに事実だ。一方で、若者が選挙に行かない、票田の老人たちにウケのいい政策しか実現しない。そんな国がある。「選挙に行ったって、何も変わらない」というわけだ。若者が希望を持てない国に僕らは生きている。

そんな状況を打破する可能性を秘めた技術がある。
それが「ブロックチェーン」だ。

本書『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』(以下『#僕メタ』)はブロックチェーン・エンジニアであり思想家/人権ハクティビストの落合渉悟が「ブロックチェーンを技術的基盤にしたDAO(ダオ=Decentralized Autonomous Organization=自立分散型組織)」を活用した共同体の可能性を探る。

戦争も貧困も搾取もない世界を実現するために。

【もくじ】
■Chapter 01
DAOによるメタ国家樹立宣言

――誰しもが主人公となる新しい世界の構築

■Chapter 02
テクノロジーと現代社会をめぐる3つの冒険

――有識者と落合渉悟による白熱議論全録

Ch.02_01 > Dialogue on Society
足元から参政せよ。
DAOで取り戻す民主主義の本質
樋田桂一(ブロックチェーン戦略政策研究所代表)×落合渉悟

Ch.02_02 > Dialogue on Economy
DAOが世界を変える
シン資本主義と民主主義2.0
内田善彦(東京大学大学院特任教授)×落合渉悟

Ch.02_03 > Dialogue on Technology+Human Rights
ブロックチェーンで変える
僕たちの「自由」と「平等」
星暁雄(ITジャーナリスト)×落合渉悟

■Chapter 03
Algaを知る、Algaを使う
DAOで実現する全員参加の新しい自治区

■Appendix
メタ国家樹立のための資料集
Documents for Meta Nation

App._01 > Bookshelf
思想家・落合渉悟の本棚

App._02 > Glossary
落合渉悟とAlgaを知るための用語集

App._03 > TED Conference
TEDx講演
「The Fairest Democracy」全訳

App._04 >Declaration
谷川俊太郎訳 
わかりやすい世界人権宣言

落合渉悟『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』
落合渉悟『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』

著者・落合渉悟とは何者か?

桜満開の2022年3月27日撮影   Photo by 塚越雅之(Tidy)

落合渉悟(おちあい・しょうご)。この人物はいったい何者なのか。まずは公式プロフィールをひもといてみよう。

落合渉悟|OCHIAI Shogo
思想家/人権ハクティビスト
イーサリアム関連技術研究者/開発者
/ブロックチェーンエンジニア
大阪大学大学院情報科学研究科情報数理学専攻スマートコントラクト活用共同研究講座特任研究員。2016年よりブロックチェーンの高速化に関わる研究で実績を残し、現在はDAO(自律分散型組織)型自治プロトコル「Alga(アルガ)」ファウンダー。情報科学全般の広く深い知見に加え、制度設計の基礎を踏まえた洞察や、アクティビズムの実践に即した民族学的分析に長けており、パブリックチェーンが社会に与える影響を遠く見通しながら多くのユニークなプロジェクトに知見や実装を提供している。とくに制度設計に精通しており、「The Fairest Democracy」というTEDx Talksはブロックチェーン時代の民主主義について世界的な議論を巻き起こした。

『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』著者プロフィールより

「人権ハクティビスト」とは聞きなれない肩書だ。本来「ハクティビスト(hacktivist)」とはサイバー犯罪に関する用語で、アクティビズム(activism=極行動主義)とハック( hack)を組み合わせた造語から由来する。ところが、本書Introductionでも念を押しているように、意味するところはこうだ。

僕の肩書に冠している「ハクティビスト」という語彙は本来的にはプログラミング能力を犯罪行為に用いる集団にレッテルを貼るための言葉だったかもしれない。
しかし、ハッカー集団アノニマスが一貫して人権侵害を行う国家や大企業をクラッキング行為の対象とし、その活動のクレドを世界人権宣言に据えるように、その活動の根拠は一貫して人権規範にあるのであった。
その国家に代わって人権規範を強制しうる稀有なオルタナティブの存在に敬意を表し、私自身も人権ハクティビストを明示的に名乗り、「Alga」という草の根の活動をするのである。

落合渉悟『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』Introductionより

さっそく登場した「Alga」については改めて詳しく説明するとして、「落合渉悟とは何者か?」について補足しよう。

ブロックチェーン時代の民主主義について世界的な議論を巻き起こしたTEDx Talks「The Fairest Democracy」の映像がこれだ。

ざっくりいうと、ブロックチェーンの技術によって公平・公正な民主主義が実現することを説いている。本書『#僕メタ』では、巻末「メタ国家樹立のための資料集」にTed講演の英文、そして日本語訳「もっとも公平な民主主義」を掲載しているので、ぜひともご覧いただきたい。

昨今、ブロックチェーン、クリプト(仮想通貨)でお金を儲けようという人は多い。実際に億万長者がそこかしこで生まれているのを風の噂で聞く。

しかし、失われた我々の人権を取り戻すため、公正な民主主義実現のため、ブロックチェーンの技術を社会に実装できないだろうかと指向しているのが落合氏である。

全てのスマートコントラクトブロックチェーンに使用可能なL2開発フレームワークであるOVM、およびPlasma開発で世界的に注目を集めるCryptoeconomics LabのCo-founder/COOでもあった落合氏は、約6年前からこの問題に取り組んできたという。

そんな落合氏の現時点での集大成といえるのが、DAO(自律分散型組織)型自治プロトコル「Alga(アルガ)」だ。

私は6年前からEthereumの高速化に関与し、3年前から国のDAO化についての理論をまとめてきました。その間、香港、ミャンマー、ベラルーシ、ロシアと独裁政権が幅を利かせ、加えてコロナ禍における過剰流動性によって「勝てば官軍」の様相が状態化して参りました。
私の人生のテーマは「究極の持続性とはなにか」です。permissionlessな形で国家のDAO化に繋がる技術をいま世の中に放っておくことは、後々大きな意味を持つだろうと考え、いまギアを1つ上げました。

https://www.neweconomy.jp/posts/203162
ブロックチェーンで民主主義の改善を目指す、DAOアプリ「Alga」発表

本書『#僕メタ』でもAlgaの詳細な解説を試みた。

ブロックチェーンという「潰されないシステム」を援用した静かな革命。落合渉悟は、実はとても危険な思想性を孕んだ書物の生みの親ともいえよう。

Introduction全文公開

『僕たちはメタ国家で暮らすことに決めた』Introduction

戦争や略奪、人権抑圧などはなぜ起こるのか。
人は、そして国家はなぜ平和を求めながら奪い合いを繰り返すのか。

この問いに明快な答えを出すのは難しい。
解答は政治、経済、学術など様々な分野から寄せられるが、釈然としない。みんなが不全感を抱え、社会に不満と不安を抱いて暮らしている。

おそらく、人類がすべて納得できる解答は永遠に出ないだろう。解答は迷宮に入るが、解決策はすぐにでも見いださなくてはならない。世界の歪みは加速する一方だ。

僕はひとつの解決策をこの本で提案したい。複雑怪奇な問題に対する解決策は意外にシンプルだ。それがDAO(Decentralized Autonomous Organization=自立分散型組織)であり、DAOを製造する仕組みである「Alga」だ。

僕の肩書に冠している「ハクティビスト」という語彙は本来的にはプログラミング能力を犯罪行為に用いる集団にレッテルを貼るための言葉だったかもしれない。
しかし、ハッカー集団アノニマスが一貫して人権侵害を行う国家や大企業をクラッキング行為の対象とし、その活動のクレドを世界人権宣言に据えるように、その活動の根拠は一貫して人権規範にあるのであった。
その国家に代わって人権規範を強制しうる稀有なオルタナティブの存在に敬意を表し、私自身も人権ハクティビストを明示的に名乗り、「Alga」という草の根の活動をするのである。

テクノロジーは歴史的に悪用される。
僕はこの悪循環を断ちたいと思う。
ブロックチェーンの技術を用いて。

本書は技術書ではない。略奪を解消する唯一の概念「人権」をめぐる提案書だ。DAOは善なるツールとして、あなたの自由、資産、希望を取り戻すことになる。ぜひこの提案に参加してほしい。

#僕メタSpotifyオリジナルプレイリスト

『#僕メタ』の世界観にDIVEするための音源集をご用意した。『#僕メタ』を片手に、著者・落合渉悟との思考実験を楽しんでいただきたい。


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