掬う、救われた④

さて、母の兄、私のおじさんの困った人生。

私がうちの長男の話を母にしていたときに、母が「困った奴だね・・」と相槌を打つ中に「かわいそう・・」という単語が入って来たことを聞き逃しませんでした。

「え?ちょっと待って。かわいそうってどこがかわいそう?
十分な衣食住の元で求める教育を得られて、現在も仕送りしてもらって
大学に通っている。なんかかわいそうなことあったっけ?」

母は、うちの長男と父親(母にとっては婿)の折り合いが悪いことを
昔から婿のせい、みたいに言っているところがあり、
でもまあそれは、姑が「世の中の悪いことは全て嫁のせい」って言うのと
同じようなもんかと思って聞き流していたのですが、それをちょいちょい出してきていたのです。

でも今回、うちの母が長男に対して「かわいそうなところもあるよね」と言ったのを聞き
私のおじさんと長男が重なったのです。
このままじゃいかん!おじさんの道を辿りつつある~~~~!!

長男がおじさんのような人生を望んで歩むなら、それは勝手にすればよい。
でも、私はばあちゃんがいつまでも息子に手(お金)を差し伸べたようなことをするつもりはない。
とにかく大学進学で家を出たら、それ以降はうちに戻ってきてはいかんと子供らには通達しています。地元に帰ってきたとしても一人暮らしをすべし、と。

母に言いました。
考えてみたら長男は全然かわいそうじゃない。むしろ恵まれた環境で育ったと思う。親との折り合いが悪いのは多かれ少なかれどこでもあるだろう。
それを盾にしていいのは未成年のうちだろう。
成人したら、育った環境がどうあれ、そのあとの人生は自分で責任とるべし。じゃないと「成人しました」の意味がない。
だから今後「かわいそう」と言うのはやめてほしいし、彼に手は差し伸べなくてよいです。と。

私もいつまでも「私のせいだ」「私たち夫婦のせいだ」と思うことはやめようと思いました。私がいつまでも親に「あんたがそんな人間なのは
私たち親のせいだね」とこの年になっても言われていたら
「私、家を出てから頑張ってやってきたよ?!」の意味がなくなっちゃうんだなと思ったのです。子供の人生にも失礼、というか。

果たして私の出した結論は良いのか悪いのか。
逃げ出したってことにはならないよね?
誰かに「それでいいと思うよ」と言って欲しいな~と
思っていたのでした。
つづく

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