ズルい女

私が大学生の頃、良く聞いたシャ乱Qの曲。
男から見た女、異性のことをずるいって言う時
ちょっとは「いい思い」もしたりしてから「ズルい」って言ってるのであり、完全なる悪口ではないだろうな。

でも同性が同性､私の場合、女が女のことを「ずるい女」と言うとき。
それは１００％完全なる悪口だ。
さあ、これから完全な悪口書きますよ。

先日、あるキャンプに参加した。
まず、言っておきたいことがある（誰に対してかはわからないが）。
私は学生時代、登山にのめりこんでいた。毎週山に行き
時には山中泊もしたし、安さを追求した宿にも泊まった。
当時キャンプというものは、物がない状態でいかに工夫をして
快適な状況を作るか、という行為であり、かつ登山のための手段であり目的ではない。よってオートキャンプたるものはキャンプではない。と思っていた。思っていただけでなく、オートキャンプをする人を少し
「邪道だ」とも思っていた。そんな生活を6年近く続け、それから時を経て今となれば、そもそもキャンプとか嫌いだし
するとなったらオートキャンプ場にしかいかないし、
家族で行った時も近くのきれいなホテルに空室があれば
私だけそこに泊まろうとして予約しようとしたら家族に止められたことも
あるぐらい、快適ではない屋外に泊まる行為なんて、本当にイヤだと
思うようになってしまった。

登山熱は復活し友達と年に数回行くけれど、近隣のホテルに泊まる場合は
とってもきれいな所にしか泊まらない。しかも、中身だけみて
予約をするのでお支払いの時にすごい金額にびっくりして
一緒に行く友達に「スギちゃん、値段見ないで予約してるの？？」と
驚かれるぐらいだ。

まあ、何を言いたいかって「キャンプは嫌い。汚いところに泊まるのも嫌い」ということだ。学生時代にやりすぎてイヤになってしまったのかもしれない。

このたびのキャンプ、断れるならもちろん断る。でも世の中には
断れないキャンプもあるのだ。しかも、参加するだけではなく
企画準備運営に携わってしまったものだから、途中で抜けるに抜けられない状況に陥ってしまった。
同じ境遇の友人と常に文句を言いながら参加。
お金をもらわない仕事、こちらに能動的な思いもないからボランティアでもない苦行だと思って二日間を過ごした。

まあ、内容については・・・。想像通り、あるいは想像以上の労役だったが
途中、ところどころ脱走したり雲隠れしたりして、自分を整えたので
まあよい。
腹が立ったのはタイトルのズルい女である。

こういう集団で行動する場合、必ず、面倒くさい奴というのは存在する。
あくまでも私にとって面倒くさい奴なので、相手にとって私は面倒くさい奴かもしれない。それはお互い様である。
そして必ず存在するのがずるい奴だ。「働かない」という人も
確かにどこにでもいるのだが、働かないのは別にいいのだ。いや、働いてくれるに越したことはないのだけれど、働かない奴にあれこれ言っても
こちらの労力が増えるだけなので別にいい。迷惑さえかけずに
飲んだり食べたりしてくれていればよい。
ずるい奴というのは、働かないだけではなく、「働いているふり」をする、
あるいは「働いているように見える行為」だけをする奴なのだ。

あんたね、それ、ほんとにバレてないと思ってるわけ？って聞きたいけれど
まあ、見てる人はちゃんと見てるんだけど
「楽な仕事をさも大変なように振る舞う」ことが上手なのだ（と本人は思っている）。
百歩譲って、仕事するふりをするだけならいいさ。

今回、キャンプの最後に色々な備品の余りが出て、それを
みんなで分けようということになった。二日間行動を共にしたなかで
ほんとに文句も言わず黙々とよく働いてくれる方たちがいて、
運営者としては是非ともその方たちにそういう備品などを持って行って欲しいわけだから「さあさあお先に」と言うのだが
たいていそういう方たちは「いえいえ、他の方たちにお先にどうぞ」と言うか、そういうときも色々お仕事をしてくれているのでその場に立ち会えないのだ。
私たちは絶対「働き者」たちにあげたいからとっておく、そうすると
前述の「働いてるふりして全く労力になってない、どころか、上手く逃げ回って汚い仕事をしない」人とかが「え～～私ももらっていいですか～～～」とタイミングよく現れるのだ。
顔に作った笑顔をはりつけて。
「え！ありがとうございます～～～こんなにもらっちゃった～～」と言いながら帰って行きましたよ。

「おめーにあげるものは何もないわ」と心の中で思ったけれど
大人な集まりでそんなことも言うわけにいかず、
でも大人じゃないから無の表情でじっと見てました。

働かない、働くふりをする、そして最後においしい物も持って行く。
どうしてそんなにずるいかなあ。

「せめて、私なんて何もしてないので何もいらないですって
言ってくれればこんなに腹立たないのに」と
帰って来て夫に言ったら「そういうこと言う人はそういうこと
しないのさ」。
いや、ほんとにその通り。