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「源氏姉妹」酒井順子

★小学校の時にモテた男子
背が高い、男友達が多い、運動ができる。
常に周りに友達がいて、その中心的存在、授業中も積極的に発言。勉強はとりたててできるわけでもないけれど、目立つほど悪くもない。
運動会では中心的人物である。
「運動ができる」は大分ポイントが高かっただろう。

🌙中学校の時にモテた男子
男友達は多く中心的人物だが、口数は少なく、周りのギャーギャー言う
男子はその人の指示を仰ぎ集まる。まるでゴッドファーザーだ。
頭はよくないが運動はできる。
女子にチャラチャラ寄って来る男子は最初は面白がられるが
「あいつうるさいよね(うざい、という言葉は当時はまだなかった)」と煙たがられ、男子にも「あいつ女子のところにいきすぎだろ」と
どっちからも敬遠されるようになっていた。

☀高校の時にモテた男子
運動部所属。生徒会所属。頭はよかったりそうでもなかったり。
男子女子とも隔てなく話すことができる。人当たりがよかったり
孤高だったり。
高校の頃になると「画一的な」男子ばかりがもてたわけではない。
でもどっちかでは際立った人がモテてたかな。

🌸大学の時にモテた男子
一極集中型ではなくなった。
こんな人が!という人、太っててかっこよくないけれど
とにかく人当たりがよくてなんでも受け止めてくれるような人がモテていた。しまいにその人は学生結婚して子供もいた。
異性に興味がなく、自分の趣味に夢中になっているような人も人気。

小さい頃は勉強とか運動で目立つ人。
年を取るにつれ「わかりやすい」ポイントではなく
その人の「個性」だったり「味」が人を惹きつけていたような気がする。

「源氏姉妹」は光源氏の毒牙?にかかった女子たちの物語。
ルックスはもちろん肌は白く絹のよう、近づくと良い香りがして、和歌はうまいし踊りもうまい。生まれも育ちも高貴。どんな女子にでも優しくとにかく手をだす。その後の扱いは「うまい」とは言えないけれどとにかくモテた光源氏。その人に言い寄られて頑なに拒否する人も稀にいたけれど、まあほとんどは餌食になり、嫉妬に狂って連続殺人犯(と書いてある(笑))になる人もいれば、呪い殺される人もいれば、父のように慕っていたのに突然男になられ戸惑いながらも従う人もいる。

源氏物語は橋本治氏がオモシロおかしく訳したものや、林真理子氏が訳したもの、正統派、マンガ、色々トライしたけれど、たいてい紫上が登場するあたりで断念していた。今回「女子」に焦点をあて、ざっくり説明してくれた
この本を読んでやっと最後までなんとなくわかった。光源氏は
とってもわかりやすいモテ男で「味」とか「個性」とかはないかもしれん。
小中学生レベルでモテるタイプの男だなと思った。
大学(あくまでも私が行ったところだけれど)ではたぶん相手にされなかったかもしれない。
私は昔から「みんながいい!」って騒いでるような人は「どこが?」と思い、ぽつんとしている人が好きだったので光源氏タイプはちょっと苦手。

光源氏がとにもかくにも追い求めていたのはたぶん「母親」。
実の母を早くに亡くし、継母に恋するが逃げられ、そんな母親たちに似た儚げな女を探し求める。
母が十分に愛し「もうおなかいっぱい」ぐらいになって子供を手放さないと
光源氏化するってことか。

ってことを紫式部は知ってたということか。すごいな。

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