(チラ裏レビュー) 男子校という選択 / おおたとしまさ (本 2011年)

※)これは”チラ裏”レビューです。あまり十分な推敲もしておらず、本来はチラシの裏にでも書いて捨てるレベルの駄文ですが、ここに書いて捨てさせていただいております。この先は期待値をぐっと下げて、寛容な気持ちでお読みください。ではどうぞ。

作品名:男子校という選択 / おおたとしまさ (本 2011年)
リンク:https://www.amazon.co.jp/dp/4532261449
評価:★5(★★★★★)

男子校の良さをいろいろな見地から説明する本。著者は名門男子校の麻布中学・高校出身で教育ジャーナリストのおおたとしまさ。

内容は良くまとまっていて、とても説得力がある。特に、冒頭の1節と2節「なぜ男子たちは生きにくさを感じているのか」「そして空気を読むようになる」はかなり頷けるものがある。”ダブルバインドのコミュニケーション”とか、よく見かける、見かける。

男女共学と男女別学、どちらの方が良いのか?という論争があるが、その答えは「男女別学の方が優れている」で間違いないと思う。根拠は、男女別学出身者自身の満足度が一般的にとても高いという事実に加え、本書の第6章にも収録されている数々の研究が男女別学が有利であるというエビデンスを示していること。それで十分。

男女別学のメリットがどこから生じているかというと、「異性の目を気にせずに本来の自分でいられること」この一点に尽きると思う。本書ではいろいろ細かく掘り下げすぎた結果、「男子には男子の教育方法が、女子には女子の教育方法があるから」という理由づけもされているが、そんなのは瑣末な問題に過ぎない。「異性の目がないこと」これが全てだと私の勘が言っている(根拠はない)。

著者は名門男子校の麻布中学・高校出身で強い愛校心も持っているので、絶対「共学よりも男子校の方がいいに決まってる!」と確信しているだろうに、「男子校に向いているのはどのような子か…?」みたいな話をするのが白々しい笑。

あと、この著者がいつも言っている「その子にあった学校を見つけよう」という主張(第7章)も白々しいと感じる。各校は設立経緯や掲げている教育理念、伝統行事や勤務している教員も異なるのだからひとつとして同じ学校はないのは事実だが、同じ現代日本にある学校の中で目指している人物像はそう変わらないと思うし、ある1人の子供がいて、その子が通った学校がA校かB校かによって全く別人格になるなんてことはあり得ない。だからもうちょっとリラックスして学校選びをしていいと思う。

私が息子の中学を選ぶときに意識したのは主に以下の4点のみ。
(1)進学実績(ざっくり、東大や早慶の進学人数)
(2)指導方針(ざっくり、放任主義寄りか面倒見主義寄りか)
(3)息子が入りたいと言っている部活の充実度
(4)文化祭や学校説明会に実際に足を運び、学校の雰囲気を確かめる
これらを総合的に判断して、息子の偏差値で合格可能性がある中から志望校を決めた。意外と大きいのが(4)で、数校の候補のうち「この学校はダメだな」との直感で候補から落としたのが2校あった。

第一志望以外に滑り止め校も含めた数校を考えなければならないので「息子にぴったりの学校を見つける」というよりは、進学実績で絞り込んだ候補校の中から直感でNG校を間引いていく作業だ。

このとき、学校のホームページやパンフレットに掲載されている教育理念やカリキュラムはほとんど参考にならない。そういうのはいくらでも取り繕うことができるから。校長や先生のインタビューとか、生徒の実際の姿を見ることが重要。本書で言えば、第4章は著者が各校を浅く取材・説明しただけのものなので要らない、第5章は卒業生へのインタビューなので結構有用。

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