散歩、川沿い、Chillカラス


鬱になって休職してから、1ヶ月が経った。

家にこもるとどうしても病んでしまうので、よっぽど天気が最悪なとき以外はなるべく外出するようにしていた。
そんで気づいたら、散歩が日課になっていた。


今日は川沿いの小道を歩いた。

涼しい風がとても心地良い。
川の音や鳥の鳴き声を聴きながら、やや早歩きめに、ずんずん進む。
自転車で駆け回る子どもから、ゆっくり歩くおじいちゃんまで、いろんな人が自然を楽しんでいる。

するとなにやら先の方で、黒い生き物がもぞもぞと動いているのに気づいた。
怖い‼️と思って、ゆっくりと近づいてみる。
そーっと、覗く。

生き物の正体は、カラスだった。

いや、冷静に考えりゃそりゃそうだな。
黒くて動く生き物とか、基本カラスだな。
僕ってほんと、ビビりやな。

とツッコミを入れつつ、休憩がてら足を止めてじっくりカラスを見つめる。

カラスは本当に肝が据わっている。
僕の目線なんて気にせず、草原をマイペースにてくてく歩き続ける。
てくてく。てくてく。
たまに立ち止まって、また、てくてく。

ふと思った。
こいつは何をしとるんや、と。

僕のなかのカラスのイメージは、ゴミを漁ってる姿だとか、カァカァ鳴く姿だとか、そういう荒くれ者な感じなので、
こんなおっとりとした姿にギャップを感じた。
よく見たら結構かわええなぁ。

こいつも僕みたいに、気分転換がてら草むらを歩いてるのかなぁとか、そういうことを考える。

カラスもチルするんすね。

てくてく。てくてく。
このカラスは、全然飛ぶ気配がない。
てくてく。てくてく。

うん、チルするカラス、可愛い。

一個人の抱くイメージなんて、とてもちっぽけなのである。
だからこそ新たな一面を知って、ギャップを感じて、魅了されたり、癒されたり。
カラスくんにそんなことを気づかされて、またひとつ生きていくことが楽しみになった。
これだから散歩はやめられない。


帰りに大きめの公園に寄ったら、看板が立っているのを見つけた。

『カラス凶暴につき、要注意‼️』

その看板の横で、マイペースにてくてくと歩いてるカラスをまたもや発見して、僕はクスッと笑ってしまった。

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