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不登校の段階と登校刺激

不登校に関するネットの記事や不登校対象の学校の資料、不登校対策について、その他経験者の書籍などを読み漁り、どこかに希望がないか必死で探していました。

みんなが焦ってはダメだといい、そのままでは引きこもりになると脅し、まずは親が楽しく暮らせだとか、放っておけば勝手に学校に行き出すだとか、不登校児の親はどうだとかこうだとか、どれもこれも全然私に安心をくれません(笑)

実体験は非常に興味深いのですが、'ちょっと上向いてきた'くらいの結末で終わっているものがけっこうあり、余計に私を不安にさせました。

すでに不登校を脱しているような体験談でも、もともと勉強はできた、とか友達が朝ピンポンしにきてくれたとか、先生がすごくよくしてくれた、など今娘の為に私が用意できないことばかり。

そんな中で目についたのは不登校の回復段階を示すグラフなどです。
とにかく先が見えない辛さよ!
不登校段階でどの位置にいるかを知ることは、回復した未来が感じられて少しだけ安心出来ました。
それを見ていると、娘は精神状態が酷い時期ももちろんありましたし、まだ不安定で時々落ち込むけれど、落ち込むとまだ自傷行為もしてしまうくらいの危ういところではあるけれど、おしゃれや肌のお手入れに気を配り、たまに暇だとつぶやく、低迷期を脱したいわゆる回復期くらいの、エネルギーレベル30%ほどなのかなと思いました。

すると、むくむくと頭をもたげるのは「私が上手に登校刺激を与えなければ!」という意欲というか焦りです。

このままではいけない。学校にいかせなくては。こんなことで躓いてはこの先自立できるのか?
娘が行きたいと言っていた高校、なりたいと言っていた職業、やりたいと言っていたこと、全て消えてしまい、惨めで怠惰な引きこもり生活になってしまう!

そうやって私は私の不安を解消すべく、「こんなところもあるよ!」「こんな方法もあるよ!」「今度校長先生と面談してみないか?」「インターネットで勉強してみる?」などなど、うまい具合に刺激したつもりが、見事に娘は暗黒期に逆戻りという悪循環を産み出したのでした。

ちょっと元気になってきた。
登校を促したい!
適応教室とか、塾のオンラインを受けてみるとか、自習でもいいよ!
相談室にいってみようよ!

頑張っている娘に、もっと頑張れ!もっともっと頑張れ!と追い込んでしまう。
これ以上頑張れない娘。
頑張れないってどういうこと?
ダメじゃん!頑張らなきゃダメじゃん! 

私も娘も泣きながら眠りにつく日々。

自分のダメ母加減にうんざりしていた頃、ネットで小児科医さんが書いているというブログを発見しました。
小児科医という立場から、発達障害や不登校などについて書かれています。

それを読むうちに、周りから「子供を不登校にしたダメ親」と言われるのが怖い自分が見えてきました。
課題の分離ができていないんですね。

そういう特性だからそうなった。
どんな家庭でも不登校になる可能性がある。
不登校になったら引きこもり?
そんなことはなく、怖いのは二次障害だと納得できてきました。

当初から焦ってはいたものの、表面上は出来る限りおおらかな母を装って接してきたつもりです。
頭では娘を追い詰めない、と思っていたはずですが、どうやら私の一挙手一投足が娘にダメ出しをしてしまっているのです。
そりゃそうです。ダメだと思っているんですから。

そしていろんな情報を収集する中で、鬱に関する漫画を読む機会がありました。
復帰したい、こんな自分ではだめだと思っていて、でもできない。
おかしい。気持ちばかり焦ってしまう。

慌てて復帰しようとしてもまったく意味がない。
ただ会社なり学校なりを休めばいいのではなく、本当の意味での休養が必要なのだとその漫画を読んで私はつくづく感じたのです。

なんだかすとんと腑に落ちて、私は30%(たぶん)からなかなか回復できない娘に一切の登校刺激をやめ、勉強を促すのも、散歩や料理や掃除や、とにかく頑張らせることをやめました。勉強は後からなんとかする。本人が学校に行きたい!外に行きたい!何かしたい!と心から思わなければ、どんな提案をしても無駄なのです。

そうして現状の娘をありのまま受け入れ、エネルギーレベル100%まで必ず回復させよう、登校刺激なんてその後だ、その時に彼女の出来る範囲に合わせて進路を探っていこう!と心に誓ったのでした。

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