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DAY 29 A song you remember from your childhood

子供時代に覚えた曲

all night, all day (アメリカの古い子守唄)

父は九州の田舎町で三男坊として生まれた。中学・高校と英語に夢中になり、ラジオの基礎英語と、アメリカ人の神父がいる教会に通うことで力をつけて、AFSでアメリカ留学の夢を叶えた。
裕福な家ではなかったが、語学がそれだけできるのだからと都内の私大に進学させてもらえた。しかし英語しか興味がなかった父は必要な授業に全然出なかった。もう学費は出せない、これ以上かかるなら自力で払えと親に言われて慌てて単位を取って卒業する。
留学1年、留年2年で同級生から3年遅れをとってもノホホンとしているような父が、まともな就職先を見つけられるわけがない。だが、当時付き合っていた彼女は父とどうしても結婚したくて、同時通訳の会社に父の仕事を見つけてきてくれた。なのに、その会社で、父は母を見染めて結婚を申し込んでしまった。
父に仕事を世話立てた彼女は、職場に嫌がらせの電話をしてきたそうだ。母は彼女と二人きりで会って、「死にたい」と泣く彼女に「こんなひどい男のために死んじゃだめ。あなたは幸せになりなさい」となぐさめた。とんでもない男と結婚することになってしまったなあと思ったそうだ。
その二人から私が生まれた。私が覚えている子守唄は、父が留学時代に覚えたこの曲。いま歌詞で検索してyoutubeで曲名を知って、父と自分以外の人が歌っている様子を初めて見た。

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