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異世界魔王ライフ。第25話。法教国家。ナットーク商会の奇襲。(後編)

(前回までのあらすじ)

女神の陰謀で、異世界転生魔王になった俺。

色々あって、(24話まで参照)
キール(以下俺)達は、伝説の島から、
魔王城に、戻ったんだけど。
しかし、法教国家を、影で操る、
ナットーク商会の会長、ファルコン(?)の力で、
魔王城は、壊滅(かいめつ)していたんだよ。

そこで、かろうじて生きていた、
ガンマ(以下γ)から、事情を聞き、
俺と、シグマ(以下∑)、白龍、
そして、西洋妖怪コンビと共に、
悪の巨大秘密組織、ナットーク商会へ、
魔王城をやってくれた、お礼参りにやってきた。

…………法教国家。ナットーク商会アジト前…………

γ「着いたぜ。ココが、ナットークのアジトだ。」

俺達は、
ガンマの転送魔法で、お城の前に着いた。

なんというか……。
凄い悪趣味の感じが、盛りだくさんの城だった。

∑「この城に、我が、同胞(どうほう)の、
カタキが、いるのか……。」

白龍「ここに、ファルコンが、いるのね……。」

俺「……その様だな。」

俺達が、息を潜めて、アジトを見てると、

γ「悪いけど、一足先に、魔王城に戻るぜ。
ちゃんと、俺様の分まで、派手に暴れて来いよ。」

そう言うと、ガンマは、
転送魔法で、魔王城へと、帰っていった。

んで、アジトの入口には、沢山の、
ボディーガードらしい人達が、いたんだよな。

俺「さてと……。
まずは、目の前の、雑魚処理。からか。」

俺が、動き出そうとした。その時、

西洋妖怪トリオ「ここは、私達に、任せて!!」

そう言うと、ドラキュラ伯爵、オオカミ男、
フランケンシュタインが、
俺より前に出て、暴れだした。

すると、敵のボディーガード達は、
そっちに、集まっていったんだ。
どうやら、戦闘が、行われてたようだった。

∑「ここは、彼らに任せて、
ワシ達は、先に進むゾ。」

その言葉に、俺達は、
手薄になった入口から、侵入していった。

…………ナットーク商会の城内。…………

場内も、相変わらずの、悪趣味で、
そして、静けさが、
余計に、不気味さを、増していた。

∑「ふむ……。中は、静かじゃのぅ。」

白龍「誰も、居ないわね……。」

俺「気を抜くなよ。敵のアジト、なんだからな。」

∑、白龍「分かってるよ。」

そして、歩くこと、数時間が、経過して。

俺達は、どうやら、広い倉庫に、着いたんだ。

中身は、武器。銃器。鉄の塊。
白い粉や、人体複製装置など、
とても、合法とは言えないモノばかりがあった。
それらは、無造作(むぞうさ)に、置いてあった。

俺『なるほど。
これが、ナットーク商会の、裏の顔。
って訳か……。』

すると、どこからか、声が聞こえたんだ。

?「よく、ここまで来たな。」
?「ここの秘密を、知ったが最後。」
?「我ら、四天王が。」
?「貴様らを、倒す!!」

声と共に、四方八方から、武器が飛んできた!!

∑「まだまだ、甘いのぅ。『消え去る者』。」

飛んできた武器が、文字通り、消えていった。

∑「ここは、ワシに、任せろ(๑•̀ㅂ•́)و✧
コイツらをやっつけたら、すぐ向かいますじゃ。」

?「ジジイごときに。」
?「我ら、四天王が。」
?「かなうとでも。」
?「思ったのか~!!」

シグマは、四天王の言葉に、
平然とした顔をして、

∑「お前らこそ、教育的指導が、必要じゃな!?
ジジイの力を、見せてやる!かかってこい!!」

この言葉に、シグマの雰囲気が、強くなった!!

これは、シグマの、勝ちパターンだな。
俺達は、安心して、任せられるな。

白龍「あの、お爺さんから、何か……、
懐かしい感じが、するわね。」

白龍は、なにかを、思い出しそうになったが、

俺『話しは後だ!。
今は、ファルコンの所に、行くぞ!!』

白龍「そうだったわね!!」

俺は、何とか、白龍の話しを反らせて、
ナットーク商会の会長、ファルコンを探しに、
さらに、奥に進んだ。

…………ナットーク商会。最深部………………

俺『ここが、最深部かぁ……。』

白龍「……そのようね。」

二人で話ししてると、

?「ようこそ、我が、ナットーク商会へ。」

突然、声がした。

?「初めてですわ。ここまで来た、人間は。
しかも、新参者の、魔王とは。驚きましたよ。」

声のヌシは、姿を現した。

その姿は、美しい、美魔女だった。

白龍「お……。お母様!なぜここに!?」

俺は、驚いた。
お母様!?って事は、白龍の、母さんなのか!?

お母様「久しぶりね。アイリーン。
私は、このナットーク商会の、会長よ。
しかも、アナタは、魔王を、
連れてきてくれた。感謝するわ。」

エッ?俺、白龍に、騙(だま)されて、
ここまで、やって来たって事か??

白龍は、言い返した。

白龍「ファルコンは、どこにいるの!?」

そうだった。ファルコンを探してたんだっけ。

お母様「アイリーン。知らなかったの?
さっきまで、一緒だったじゃないの。」

お母様は、真実を言った。

白龍「え?それじゃあ、あのお爺さんが……。」

白龍は、混乱していた。

お母様「それより、私の娘を閉じ込めた、
魔王の処理が先ね。死になさい!!」

お母様は、炎を吐いた。
しかし、それを、白龍が防いだ。

白龍「お母様、聞いてください!!
彼ら、魔王達は、優しい人達ばかりです!!
龍族に、被害を与えるような人達じゃ……。」

白龍は、弁明した。しかし、

お母様「どきなさい!!アイリーン!!
魔王軍は、
あなたを誘拐し、封印した、奴らなのよ!!」

反論された。しかし、白龍も負けずに反論した。

白龍「それは違います!お母様!!
龍族の内乱で、殺されそうになった所を、
ファルコンが、助けてくれて、
かくまってくれたのよ!!」

必死の説得するが、お母様は、聞く耳を持たず。

お母様「アイリーン!!
お母様の言うことが、聞けないの!!
私は、あなたが戻って来るまで、
どれほどの時間を悔やんだか、分かってんの!」

お母様は、自論(じろん)を話した。

白龍「お母様は、間違ってるわ!いつもそうよ!
自分の事を、棚に上げて、他人を責める!!
だから、龍族は、滅びたんじゃないの!!」

白龍は、お母様に、キレたようだった。

お母様「私のせい、だって言いたい訳!!
ファルコンや、魔王に、
デタラメを、吹き込まれたんだわ!!
憎い憎い憎い憎い!!
そこにいる魔王と、ファルコンを倒して、
アイリーンを、再教育するわ!!」

お母様のヒステリックも、
ここまで来ると、圧巻だな。うん。

白龍「お母様、お願いだから、やめて~!!」

白龍は、懇願(こんがん)したが、無意味な様で、

お母様「特殊能力、「ドラゴンフォーム」!
百年龍の、恐ろしさを、知りなさい!!」

お母様は、銀色の、巨大なドラゴンに変身した。

お母様「ファルコンと、
魔王さえ、居なければ……。
アイリーン、待ってなさい!!
必ず、私が、目を、覚まさせるからね!!!」

お母様は、完全に、自分に酔ってるな。

白龍「目を覚ますのは、お母様の方よ!!
特殊能力、「メタモルフォーゼ」!!」

白龍も、負けじと、白い龍に変身した。

白龍「お母様の、自分の欲望の為に、
沢山の、魔王軍の犠牲者が、出たのよ!!
罪は、償(つぐな)わないと、いけないわ!!」

白龍は、正論をぶつけた。

お母様「何を言う!虫ケラが、何匹死のうと、
崇高(すうこう)な、龍族の前では、
他の存在は、無価値なのよ!!」

おいおい、ダレが、虫ケラじゃ!!
俺も、親子ケンカに、参加しようとした、
その時。

?「それは違うのぉ。ジェーンよ。」

俺の後ろから、声が、聞こえてきた。

?「確かに、龍族からすれば、
ちっぽけな、命じゃろうて。
じゃがのぉ、彼らも、生きているんじゃ!!
ワシらと、命の重さは、同じなんじゃよ!!」

声のヌシは……。

俺『シグマ!!』

白龍「お爺さん……。いえ、ファルコン!!」

∑「待たせたのぅ。皆の衆。」

シグマが、無傷で、帰ってきた!!。

その姿に、お母様は、ワナワナと怒り、

お母様「ファルコン!!私の前に、
よくもまぁ、ぬけぬけと、現れおったな!!」

この言葉に、シグマは、冷静に言い放った。

∑「お前が、ワシの名前を使って、
呼んでおいて。何を今更、言っておるんじゃ。
それに、ワシが、
昔、お前の、おねしょを、隠してやった事も、
憶えておらんのかのぉ?
歳取ったのぉ、ジェーンよ。シワが、増えるぞ。」

この挑発に、お母様は、ブチ切れて、

お母様「グヌヌ!
言わせておけば、ベラベラ喋りおって!!
まとめて、倒してくれるわぁ!!」

お母様こと、銀龍は暴れだした。

∑「……キール様、これは、龍族同士の争いじゃ。
ここは、安全な所に避難して、待ってて下され。」

って、言われてもなぁ、魔王軍のカタキを……。

∑「特殊能力「究極メタモルフォーゼ」!!
ワシが、魔王軍のカタキを、取る!!
ジェーンよ。
千年龍の恐ろしさを!教えてやるわ!!」

そう言うと、シグマは、黄金龍へと変身して、
お母様に、向かっていった。

俺『あ、うん。わかった。
カタキは、シグマに任せたよ。頑張って。』

俺は、その場を、後にした。

正直、魔王軍のカタキは、取りたかったけど、
身内のケンカに、首を突っ込むほど、
俺は、バカじゃない。シグマ達に任せよう。

俺は、とりあえず、城の外に出た。
相変わらず、城内は、騒がしかったが。

ドラキュラ伯爵「あ、おかえりなさい。」

オオカミ男「で、どうなったの?倒したの?」

フランケンシュタイン「話しを、聞かせて~。」

こっちはこっちで、闘いは、終わってた。
もちろん、西洋妖怪トリオの、勝利だったがな。

俺『あ、うん。
今、痴話喧嘩(ちわげんか)してるから、
城内には、入らないでね。』

西洋妖怪トリオ「痴話喧嘩?????」

頭にいっぱいに、はてなマークが、飛んでいた。

そりゃそっか。内情を、知らないからなぁ。

でも、言わない事にした。
夫婦喧嘩は犬も食わない。って言うし。

とりあえず、適当に、理由を言って、
西洋妖怪トリオと、適当に、時間を潰していた。

……それから1000年後。いや、1ヶ月後。

俺達が、魔王城で、待ってると、
白龍と、お母様と、シグマが、帰ってきた。
顔は、みんな、憑(つ)き物が取れて、
さわやかな、顔つきだったが、
全員の身体中が、アザだらけだった。

お母様「この度は、魔王軍の皆様。
大変、申し訳ありませんでした。」

この後、お母様は、魔王軍のみんなに、
謝罪しまくっていたな。

白龍「お母様は、色々あって、気持ちの整理が、
ついてなかったの。皆様、本当にごめんなさい。」

白龍も、お母様と、謝罪しまくっていたっけな。

∑「ワシからも、謝ろう。ワシのせいで、
みんなに、迷惑を、かけたんじゃからなぁ。」

さすがに、コレには、魔王軍全員が驚いて、
逆に、魔王軍が、シグマに頭を下げていたっけ。

元魔王「……まぁ、今回は、
騎士国家と、魔法国家で、
足並みが、揃(そろ)わなくて、
攻め込まれなかったから、良しとしましょう。」

俺に代わって、コピー魔王が、話しをまとめた。

コピーγ「それと、ちゃんと、両国間に、
ガンマ直伝の、裏工作。やっておいたぜ。」

知らない所で、コピーガンマは、
仕事してたんだな。ナイス判断(๑•̀ㅂ•́)و✧

ということで、被害は、魔王軍のみ。しかも、
最大幹部のシグマからの、謝罪もあったからか、
今回の事は、黒歴史として、みんなの心に、
密(ひそ)かに、封印されたのであった。

それと、オマケというか、戦利品というか、
ナットーク商会とも、和平交渉が取れた。
これは、
法教国家を手に入れたと、当然の結果となった。
もちろん、おおやけに発表は、してないがな。

だからといって、俺達は、無駄な争いはしない。
俺達は、
いつも通り、色んな国中を、ブラブラして、
これからも、騎士国家と、魔法国家にも、
にらみを、効かせるつもりだ。

あと、今回の教訓として、
魔王城に、強い人を、必ず、置いておこう。
……って、話しになってな。

俺『で、今回は、俺が、留守番。って訳かよ!
みんなして、旅に出やがって!ズルいぞ!!』

これじゃあ、1話目と、
全然、変わらないじゃないか!!
誰か、助けて~!暇過ぎて、死ぬ~!!

あ、今のうちに、俺の旅の、続きでも書くかな。
それに、魔王城の、一人露天風呂も、いいな。
確か、フルーツ牛乳も、あったはず。
そう考えると、魔王城ライフも、悪くないな。

俺『でも、でも、旅に、出たいよ~!!
早く、みんな、帰ってこぉ~~い!!。』

俺の声は、誰にも、聞かれる事も無く、
魔王城内に、虚しく響いただけ。だった……。

25話 終 制作・著作  ━━━━━    きぃえぁ

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