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異世界魔王ライフ。第27話。外伝。女神の忙しく、退屈な日々。

これは、俺が、異世界魔王転生する前の、
ある女神の、お話し…………。

…………天界。…………

女神『あ~。今日も疲れたわ~!!
いつも、ハードワークし過ぎよ!!
もう、ヘトヘトだわ。(; ̄д ̄)ハァ↓↓』

天界で、独り言を言っている、この女神が、
今回の主役である。

女神『こんな時は、呑まなきゃ、
やってらんないわよ!!(グビグビ)』

と、牛乳を、腰に手をあて、飲んでいた。

女神『ぷはぁ~!!ンめぇ~!!
……っと、
休憩中の楽しみって、他にもあるのよね~♡』

女神は、地球以外の星を覗いた。

女神『私の、『創造者』で、一から作った。
異世界「フロンティア」!!
剣と、魔法と、欲望と、成金の世界よ!!
ついに、ついに、出来たわ!!』

女神は、ガッツポーズをした。

この、異世界フロンティアで、
更に仕事量が増える事は、まだ知らなかった。

そんな、シムシティ感覚で作った異世界。
そう簡単に、話しが、進むはずも無く……。

女神『何よ!せっかく作ったのに、
騎士国家と魔法国家は、ずっとケンカしてるし、
法教国家は、私服を肥やしてばっかり。
魔王国家は、肝心の魔王不在で機能してないし。
人間って、なんて、罪深いのかしら……。』

女神は、呆れてた。

女神『このまま、破壊しちゃおうかな……。
でもなぁ……。ここまで育てたのに、
なんか、もったいないし……。
地球に、誰か、適任者が、居ないかな……。』

女神は、地球を見た。

こっちはこっちで、戦争やら、人種差別やら、
人間カーストやら、仕事をしないニートやら。
これはこれで、心労に来る。

女神『はぁ……。(*´Д`*)
そんな簡単に、見つかる……訳が……。』

女神は、あるひとりの人材に、気づいた。

女神『アレ?平和な日本なのに、
カルマが、異常に高い子が、いるわねぇ。
気になるわね。ちょっと、見てみましょうか。』

女神は、その人材を見た。
服は、ボロボロ。
顔は、真っ青。
常に、いじめられていて。
目の奥は、漆黒の闇だった。

女神『へぇー。いるんだ。こんな人間。
ついでに、人生も、調べてみるか。』

女神は、特殊能力で、本を召喚した。

女神『この本は、通称、閻魔(えんま)帳。
地獄で、閻魔大王が使う本の、レプリカよ。』

誰に説明する訳でも無く、独り言を言うと、
閻魔帳を、めくっていった。

女神『|・ω・`)フムフム。なるほどね。
何も、ここまで、酷い設定にしなくて良いのに。』

女神は、この人材に、哀れみの顔をした。

女神『かと言って、今から一発逆転。
……ってのも、出来なくは無いけど、
パワーバランスが、崩れるわね。』

女神は、考えこんだ。

女神『それに、あの漆黒の、どす黒いカルマよ。
現世で、強い力を持ったら、世界が、滅ぶわ。』

女神は、悩んだ。

女神『……なんだけど、
何とかしないと、いけない案件だよね……。
このカルマ、閻魔大王でも、抑えきれないわね。』

女神は、更に悩んだ。

女神『私が、浄化するにしても、
かなり、苦労するわね……。
その間に、地球に、大きな事が起きても、
対処が、出来なくなるわね……。
どうしたものかしら……。』

女神は、地球と、異世界フロンティアを、
交互に見て、

女神『地球には、膨大なカルマの人材がいて。
フロンティアは、
ぐちゃぐちゃで、まとまりが無い。
なんていうか、
戒(いまし)めになる人材が、必要なのよねぇ~。』

女神は、何かを閃いた。

女神『ん?ちょっと待って。』

女神は、考え始めた。

女神『つまり、
この人材の、受け皿が、あれば良いのよね!?
って事は……。
異世界フロンティアに、送れば、良いんだわ!!
私って、天才かよ!!』

女神は、異世界フロンティアを見て、

女神『問題は、フロンティアの、どこに送るか。
だよねぇ……。
どこに送っても、受け切れる所がn…………。
あったわ!!1箇所だけ!適材適所が!!
早速、連絡よ!!』

女神は、テレパシーを送った。

…………フロンティア。魔王城…………

それは、魔王城を作り、地下迷宮を作り、
白龍を封印した。あの人だった。

ファルコン「なんだ!?
女神が、俺様に、なんの用だ??」

それは、若き日のシグマだった。

女神『実は、あなたに、お願いがあって、
連絡いたしました。千年龍、ファルコンよ。』

ファルコン「ほぉ~。女神にまで、俺様の名は、届いておるのか!?実に愉快(ゆかい)だ!!
……で、お願いって、なんだよ??」

女神『近いうちに、私は、
こちらに、魔王を、送ります。』

ファルコン「魔王??
勇者の、間違いじゃないのか??
女神が、相対する魔王を送るなんて、
聞いた事が、ないぞ??」

女神『それは、こちらの都合上、勇者では無く、
魔王で、間違いありません。』

ファルコン「ほぉ。面白そうな話しだな。
こっちも、魔王を、探してた所だ。
俺様が、やっても良いが、
龍族の方で、手一杯だからな。」

女神『ありがとう。千年龍、ファルコン。
その者は、異世界転生者です。』

ファルコン「異世界転生って事は、
特殊能力者か。ずいぶん、大盤振る舞いだな。」

女神『そうですね。その者の、カルマは、
あなたに、匹敵するほどの強さよ。』

ファルコン「ファッファファ!!
それは、頼もしいな!!
本当に、良いのか、女神よ!!」

女神『良いわよ。その代わり、頼みがあります。』

ファルコン「なんじゃ?言ってみろ。」

女神『もし、その者が、
最初に、旅に出たいと言った場合は、
止めて下さい。』

ファルコン「最初に。……って事は、
それでも、止められなかった場合は、
どうするんだよ?」

女神『その時は、
あなたなり、側近を付けて、監視して下さい。』

ファルコン「魔王を、監視か……。
これは、骨が折れそうだな。」

女神『本来の目的は、その者のカルマの返済。
悪の道に行くのを、止めて欲しいのです。』

ファルコン「ちょっと待てよ!?
カルマは、負の力の源(みなもと)じゃないか!。
それを減らすって、どういう意味だ!?」

女神『その者は、
不幸な生い立ちで、カルマが溜まっただけ。
だから、
こっちの世界では、幸せになって欲しいのです。』

ファルコン「なるほどな。ようやく理解したぜ。
要は、魔王の、カルマを浄化させるのに、
俺様を、使う。って事だな。」

女神『その通りです。
あなたは、力も、知力もあります。
他に、適任者が、居ないのです。』

ファルコン「適任者……ねぇ。」

ファルコンは、しぶい顔をした。

女神『そうです。
あなたが、魔王国家を作っても、
別に、争う必要は、無いのです。』

ファルコン「……まぁ、俺様は、
龍族の争いで、コリゴリだからな。
魔王国家になっても、
自国を守る事以外は、戦争は、しないぜ。
それでも良いのか?」

女神『構いません。騎士国家と、魔法国家に、
にらみを、効かせられるなら。』

ファルコン「あそこは、毎回争ってるからなぁ。
いいぜ。その条件。のんでやるよ!!」

女神『あなたなら、
わかってくれると、思いましたよ。』

ファルコン「良く言うぜ!
全て、女神の策略だろ?わかってんだよ!?」

女神『では、そういう事で、お願いしますね。』

女神のテレパシーが切れた。

ファルコン「全ては、神のみぞ知る……。か。
厄介な相手だぜ。女神ってヤツは……。」

ファルコンは、深いため息をついた。

…………再び、天界。…………

女神『(〃´o`)フゥ…。さすがは、千年龍ね。
迂闊(うかつ)な事は、話せないわね。』

女神は、ため息をつくと、

女神『さて、魔王適任者は……っと。』

女神は、地球を見た。

女神『いたいた♡……って、倒れて、救急車に、運ばれてる~!?』

女神は、閻魔帳を取り出し、

女神『おかしいわね~。余命は、まだ先のはず。
……ん?カルマの影響で、悪化してる~!?
これは、予想外だわ!?
閻魔大王に行く前に、抑えないと!!
あ~!忙しい!忙しい!!メイク!メイク!!』

しばらく経って。

女神『よし、適任者を抑えたわ!?
あとは、最初の面会ね。目薬を挿して……っと。』

適任者が、来た。

女神は、泣き真似をした。

ひたすら、泣き真似をした。

だけど、見てるだけで、何もしてこない。

女神は、我慢に、耐えきれなくて、言った。

女神『アンタ、酷(ひど)い人生だったね~』

27話。外伝。終 制作・著作  ━━━━    きぃえぁ

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